日本語と英語との距離は遠いなあ、と思い知るときがあります。
同時通訳の練習材料でこんな一節がありました(脚色を加えています)。
監督官庁・消費者の皆さま・仕入れ先・販売店の皆さま、こうした関係者様に支持される我々A社でありつづけるために昨年始めたX計画をより一層力強く進めていく所存です。
初めに関係者を4種類挙げているので、次の展開を待てずに訳し始めます(述語を聞くまで待ったら危ないと判断)。そうすると原音声の展開に意味を合わせるために無理というか力技が必要でした。「ありつづけるために」と、ここで文が終わらずうっちゃりを掛けられてしまいました。
Regulatory authorities, our customers, suppliers and dealership--we must be supported by these stakeholders. For A to achieve this goal, we accelerate implementation of the X initiative launched last year.
英語にするために stakeholders をねじ込みました。「ありつづける」「力強く」が落ちてしまいました。ただ、英文を2つに分けることで話者の言いたいことはそこそこ伝えることはできたはず。こうした「さばき方」を数多く経験すると情報量を盛り込む余裕ができるのかもしれません。
「うわ、どうしよう」
という動揺を抑えるとなんとか活路が見える…ときもある…かな。