駆け出しの通訳者でフリーランスという(かなり無謀な)設定で考えてみましょうか。特にこれといった実績や「引き」がない場合、エージェンシーや人材派遣会社はおそるおそる使ってみるということになりそうです。
まずは入門レベルの仕事をさせてみて、苦情が来ないか様子見でしょうか。
宮原美佳子さんがブログに書いていらっしゃるような仕事。
仮に日額報酬が 25,000円だったとします(内容によっては 10,000円くらいのこともあるようですが)。
こうした仕事を月に何件できるか。
You do your math.
仮に 10 件だとすると、月収は 250,000円。ただし 10 件取れるというのがどれだけ幸運かは経験のある人にはわかると思います。
年収換算で 250,000 * 12 = 3,000,000円。東京・大阪・名古屋では subsistence には足りないかな、といったところでしょうか。
ですから社内通訳者がこの業界の入り口になっているのでしょうね。不本意な業務内容(翻訳や事務、データ入力など)もあるかもしれないが、とりあえず来月の家賃は払える。時給 2,000円なら1日7時間勤務で 14,000円。週休2日で月平均 20 日程度として月収は 280,000円。そして健康保険料は半額事業主負担、厚生年金加入、雇用保険加入、労災保険適用という、ありがたいプラスがあります。
(厚生年金保険料が高いのは事実ですが、将来の老齢年金はもとより、実は障害年金はかなり手厚い。健康保険の傷病手当金なんて、フリーランスから見たらよだれが出そうですよ、ほんと。余談ですが、民間の生命保険商品を買うときには公的給付もよーく考えましょう。)
場合によると、この業務形態(社内通訳)が実は自分に合っていた、ということも起こり得ます。チームで仕事をするというのには、やはりそれならではの手ごたえがある(こともある)。