今年は最後にちょっと風邪をひいて1日半寝込んだ他は元気に過ごせました。理解ある顧客に恵まれ、仕事として通訳を始めた初めての年にしては望外の業務量にもなりました。
たまたま紹介してもらった仕事がうまく「はまった」(顧客・通訳者の双方に)という要素が大きいですね。しかし、通訳者の側に最小限の準備がなんとかできていたのも否定できないと思います(口幅ったいところではありますが)。こうして今日の記事の表題
Luck is what happens when preparation meets opportunity.
というセネカの句を思い出した次第です。
通訳を生業にしている方のお話を読み聞きすると
「それは運が良かったですね」
「うらやましい」
と思うことも一度ならずありました。たとえば通訳業を始めて間もなくインドの製鉄所で8か月通訳をしたとか自動車会社で社内通訳者をしたとか日本のディズニーランド建設時に多くの通訳者を起用したとか。
「私にもこういった風の吹き回しはあるんだろうか」
と考えたことはありましたね。
ところが、そうしたことが実際に自分にも起こったわけです。同じ顧客で期間は数か月、私の前勤務先での経験がかなり活かせる分野。実際にそうなってみると、あちこちで見かける
「続けていればなんとかなる」
というのも根拠のない話でもないかもしれないと思います。
通訳の神様は
「しっかり学習するから通訳者にしてください」
という「取引」には応じてくれないようです。あくまで学習者の片思いなのです。真剣に片思いをして努力しないと良いことは起こらない。そして、必ず起こるという保証はない。
それでも続けてきて良かったかもしれない、と少しは思える転機の年になりました。