50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2014-11-24 教材の盲点

仕事や通訳学校の教材の 日本語→英語 通訳で苦労してきました。共に

  • 構成がはっきりと固まっておらず
  • 話者が考えながら話し
  • 時系列が行きつ戻りつして
  • 事実と意見とが混在して
  • それでも日本人ならごく自然に聞けてしまう

といったは発話の場合です。新聞の社説でサイトトランスレーションをしていますが、新聞記事は引き締まった文体で誤解の余地がないように書かれています。こうした「清浄栽培」の日本語ばかり扱っているといざというときに困ると感じました。英語で最も基本的な 主語+動詞+目的語 という構成に持ち込みづらいんですね。どこから文を始めようか、どの部分が「幹」でどこが「枝・葉」なのかと逡巡するうちに話が次の内容に進んでしまいます。あるいは、通訳者が見抜いたつもりになっても、その理解は話者の意図と異なるかもしれません。

構成の他にも難しいことがあります。文脈に高度に依存して言葉が選ばれるので省略も多く、背景や専門用語がわからないとどうにも手が出ない(口をはさめない)のです。

幸い(?)こうした日本語の教材も学校でちゃんと取り扱っているので、意識して練習しようと思います。