昔にフルートを習っていたので、フルート関係のブログを何気なしに見ていたらなかなか読みでのある文章を書いている人がいました。しばらく読んだのですが、通訳学校に通い始めて多忙だったこと、記事の更新が少なかったことでしばらくして読まなくなってしまいました。
それからしばらく後にまったく別のきっかけでそのブログを再訪することになりました。あまりの偶然に相当驚きました。
Mes chéris ~ピッコロとフルートと~
ブログ著者は日本出身、フランスでフルート・ピッコロの修業を積んだ後にノルウェーで職業オーケストラの団員になられています。楽器を演奏するうえでの自分の心身についての考察が鋭く、通訳の練習方法を考えるときにずいぶん参考になりました。次の記事を読むとおわかりいただけるかと思います。
通訳はいわゆるパフォーミング・アーツの要素がとても強いと思っています。ですから通訳者だけではなく音楽家や武術・武道家、競技選手の発想が(私にとっては)とても参考になります。
技能面だけでなく、目指すところに進む決意の点でも上記のブログ記事には読むべきところがありました。
私はもちろんどんなコンクールでも、受けられる可能性があるものは全部受けていました。
それだけで、街も、人も、何も知らない場所でのコンクールに飛び込みました。
私も将来エージェントに登録する際、この決意で取り組めるでしょうか。
28年近く勤務した企業を去り、一時は専門にしようとした分野から離れて通訳で立っていこうと決めました(そう、「できるかなあ」ではなくて、「決めた」んです)。年齢や経歴からしたら、
「それは、ちょっと難しいのでは…」
(= オマエ、何考えてんの?)
というのが多くの人の反応でしょう。それでも、定年後再雇用で65歳まで当時の職場で仕事を続ける自分の姿をくっきりと想像することができなかったのですね。無責任なことはできませんので命綱や安全ネットは用意しておきましたけど、その存在は極力忘れるようにしてきました。