50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2014-09-02 通訳者になるために最も必要なもの

学習仲間と雑談をしていたときのこと。

通訳者になるのに大切な要素って、なんだろう(日本語母語話者が英日・日英通訳をするという話で)。

まずは日本語の能力。私は日本語母語話者なので、日経新聞や「世界」「中央公論」「文藝春秋」は楽に読んで内容について討論できるくらいというたとえしか思いつきません。法律の条文も戦後の現代仮名遣いなら問題なく読めるくらいかな。

同様に欠かせないのが英語力。本格的な会議通訳をめざすなら、TOEIC 990 や英語検定1級では測れない、もっともっと上の力が必要になります。サイマル・ISS・インタースクール・テンナイン(Hi Career)等の公開記事をよく見ると、講師や通訳者の大部分は中高生から大学・大学院のどこかで英語を母語とする国に在住しています。

そして言語能力と同様に重要なのが時間と機会。アメリカの大学を出て、親の敷地を分けてもらって家を建ててローンも30代に返済完了、親が元気で子の面倒も見てもらえる。配偶者が定職についていて、仕事を辞めて通訳学校に通える。平日の出張を伴う通訳も引き受けられる。こんな人たちも競争相手にいることでしょう。そうした市場で「選ばれる通訳者」になるためには自分の置かれた環境に不満を持たずに取り組んでいく覚悟が必要です。はい、お金があると通訳者になる夢はずっとかないやすくなります(他のほとんどの夢と同様に)。

私は
「それでも、まあ、なんとかなるんじゃないか」
と思っているから続けています。蛮勇じゃないですよ。計算もしてますよ…。