株式会社アルクが公開している「通訳ソーウツ日記」を遅ればせながら少しずつ読んでいます。ハイキャリア、ISSやサイマルの公開情報と並んで有用な記事が多いと思います。
特に私が注目しているのが中国語通訳者神崎龍志さんの記事です。どれも鋭い視点で気づかされることが多いと思います。たとえば「わからないことを通訳する」は通訳の心構えについて深く考えるきっかけとなりました。
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上記の記事に
単語を漏らさず拾い、文脈が破綻しないように訳していけば、一応、「正しい」通訳ができる。
という記述があります。これは私の苦手な部分ですので、今後少しずつでも練習していきたいところです。企業勤務経験が長く、会計や法律を扱う機会が多かったので
「理解できないことは言いたくない」
「間違ったら困る」
という無意識の束縛が通訳にかなり悪影響を及ぼしている気がします。通訳学校の課題で黙ってしまったときにはこれが原因でした。80点の訳が出せないときには、単語・文法で組み立てた訳を
「これでいいはずだ。少なくとも50点のはずだ」
という自信をもって出してくのが課題だと思います。
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こうした考え方は
「通訳者の頭の中に存在しないイメージが、オーディエンスに伝わるわけがない」(ISS講師 日野峰子さん,通訳者・翻訳者になる本2015(イカロスMOOK))
というもう一つの真実と競合するものではなく、どちらも真だと受け取るべきではないでしょうか。