通訳学校の授業で気づいたことがあります。
講師が元発言の解釈にあたり、とても慎重なことです。
教材にときおり解釈が分かれる表現が出てきます。特に珍しいことではなく、私たちの日常会話でも相手に聞き返されるようなことはよく起こっています。
そうしたとき、講師のほうが受講者より明らかに慎重です。英語の表現 "to leave no stone unturned" という感覚に近いかもしれません。講師は常に
「なぜこの解釈が最善・最適だと確信を持てるのか」
「なぜ他の解釈よりこのほうが正しい(良い)のか」
と考えています。
おそらく通訳をしてきた経験のなかで、いろいろと思うところがあるのでしょう。私でも授業の後、帰宅してから
「あの部分は、ひょっとしたらこういうことではなかったのか」
と思い直すことがありますから…。
文脈に沿った理解が特に重要ですね。
「本当にそうですか?」
という問いを常に忘れないようにしようと思います。