50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2014-04-14 押し寄せる情報(同時通訳)

Indy さんのブログ「Enigmatic Voice ~語学を究める~」の記事「英会話教室が物足りなくなったら通訳学校へ!」のコメントにある同時通訳の練習方法(正確には方法ではなく心構え)が気になって試しています。

速すぎない材料(英語)を使って、反射的に内容を訳出していく練習です。
「日本語として、それはちょっとどうかな」
という点には目をつぶって。

「この材料ならいける」と思ったものでも簡単にはいきませんね。通訳学校で「クイックレスポンス」が大切だと聞かされた理由がわかりました。訳語を求めてほんの一瞬だけ時間を使ったつもりでも、耳から入る音声はどんどん進んでいきます。「語→語」単位の変換で止まることは事実上許されないようですね。

こうして練習して気づいたことがいくつか(英→日)…。

・話者が発する単語、特に「内容語」(名詞・述語動詞など)はすべて重要で、通訳者の横暴で落としてしまうのはまずい。
・飛ばしてよさそうなのは繰り返しや言い換え。ただし一瞬で判別するのは簡単ではない。
・組織名・役職・氏名は鬼門(日英で順番が完全に逆)。
・数秒間できるだけでは追いついていることにならない。時間の「赤字」が経常化すると破綻する(国家債務みたい…)。

そして、こうした「追いつく練習」は水泳の呼吸に似ています。若干つらくてもきちんとリズムを追いかけていく。これを続けられないと訳文を構成する時間(余裕)を作り出すことはできない。