50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2014-02-15 健全な自己像

自分の訳を録音して聞いてみるとけっこうガックリくることが多いですね。客観的に(通訳を頼るしかない顧客だったらどう聞くか)、批判的に(両言語がわかる人だったらどう聞くか)聞くことは学習に大きな意味があると思います。

改善の余地は文字どおり山ほどあります。どの問題を克服しても(改善しても)必ず質の向上につながるので欠点つぶしには明るく元気に取り組むべきですね。

ここで大切なのが淡々と進めることでしょうか。決意は実践によってのみ担保されるのですから…。

現在の問題については昨日の記事に書いたとおりです(深刻ですね。通訳者の「死に至る病」です)。

同様に大切なのが自分の通訳の良い点も認めることではないでしょうか。声が小さくてもむだな発声がなければそれは強みですし、なめらかな表現になっていなくても内容に漏れがなければすばらしい。「自分にも何かとりえはあるはず」と考えて精神のバランスを取るのではなく、客観的に認めておくということに意味があると思います。

私の場合はプレッシャーがかかっても「えー」「あー」「mm」「well」「like」といった不要な音声がほぼ皆無なのが数少ないとりえの1つでしょうか。昔 Toastmasters 活動(スピーチやコミュニケーションの向上が目的)をしたときに「ah counter」という係員に数えてもらって以来意識しています。幸運なことにインタースクールでもこの点を厳しく指摘する講師に恵まれました。


強さを伸ばすことは重要ですが、短所も「ボロが出ない程度に」とりつくろっていくことが必要でしょうね。そして、プロに要求される「ボロが出ない程度」の水準はとんでもなく高いようです。