昨年の通訳学校の授業で2人の講師が奇しくも同じ趣旨のことを言っていました。
「ノートにかじりつかず、話の内容をとらえましょう。そんなに難しいことは言っていないのですから」(注)
「内容を漏らさないようにと一言一句に集中するのではなく、上半身を後ろにそらせる気分で全体をつかんでみましょう」
講師が受講者に対してときどき
「はい、顔を上げてホワイトボード(あるいは壁や向かいの受講者)に向かって声を出すつもりで」
と注意するときがあります。
それだけでせかせかした合成音みたいだったり「えーと、んーと」だらけのつぶやきだったりした訳出が突然暖かみを帯び、「語りかけ」に変わります。
精神活動(通訳)も身体に関連しているな、と強く感じます。
・聞くときは体を起こして原発言者(あるいは再生機器)に視線を向け
・訳出は顧客(聞き手)に視線を向け、話しかけるように
こんな感じを意識して練習しようと思います。
自宅で練習するときもときどきマイクロフォンを置いてみます。録音せずに置くだけで
「しっかり伝えよう」
という気分になります(私は単純なので!)。
※注 たしかにたいていの話は「なにがどうした(どうする)」という内容です。