どうしたことかずっと前に登録していた地方自治体のボランティア通訳のお呼びが今になって次々とやってきます。
市民としてできる限りのお手伝いをしたいのですが、ご期待に沿えないときもあって残念ですね。かつて多国籍企業で社員をずいぶん外国赴任させましたから、外国(=日本)で不安になる方たちの気持ちがわかります…。
地域のボランティア通訳にも本格的な通訳能力が要求されます。職業通訳者を使わない(使えない)のは通訳の数量(時間)を集約できないからなのでしょう。15分のために半日料金は払えませんものね。
日本語が相当達者な方でも、英語になると話の内容がぐっと抽象的・高度になり、言いたいことがわき出てくるのを経験しています。
「あなたのおかげで今日は言いたいことがすべて言えた。ありがとう」
と言われると、また来ようかと思ってしまいます。
日常会話(というか、カタコト会話)の運用能力では話者の精神活動をうかがい知ることは難しいですね。英語が第二言語の方々(フィリピン・シンガポール・インドなど)は英語を使うと日本語のそれこそ百倍も表現できます。日常使っている言語(ピリピノ語や中国語各種方言、インド各種言語)ならもっと自由に話せるでしょうから、かなり悔しく残念な思いをしているはずです。
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「ボランティア」通訳ですから、プロの通訳者も奉仕の心で引き受けるといいなと思います。災害時に食品会社が食品を被災地に贈る。弁護士が無料で法律相談に応じる。それと同じで、言語で困っている人がいたら自分の得意な分野で助けてみる。
関わった人は皆
「通訳さんって、すごい」
と思ってくれます。通訳業の認知度や評価を高める効果が(遠回しながら)あるかもしれません。