ISSインスティテュート主催の「柴原早苗先生が語る!プロ通訳者になるための勉強法」はこれから通訳訓練を始めようかという人向けの講演でした。
・語学力
・知識(話の内容について)
・度胸
以上のそれぞれに重み(weight)を付けてみましょう、という簡単な課題が出ました。
柴原さんの答えは(私の記憶では)
・語学力 3
・知識 4
・度胸 1
・体力 2
だったと思います。隠し球の「体力」はさておき、柴原さんは「知識」の重要さを強調したかったようです。日経新聞を購読し、書店の売り場を回り、見学会などにも足を運ぶ。そうして自分で能動的に身につけた知識は折に触れ強力な味方になる。
インタースクールでの私の経験でも、国際政治など日頃縁がない話では苦労しましたし、企業のIR関係や技術・工業分野ではなじみもあって比較的楽に感じました。
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次に印象が強かったのが、通訳を通して他人の役に立ちたいという動機がないと続かなかったのではないかという話です。
「通訳者になりたい」
「上手になりたい」
といった動機だけでは行き詰まってしまう。自分の仕事が評価されることでプロは生かされるということなのでしょう。
授業中でもこうした考えは大切だと思います。
「伝えてさしあげる」
という姿勢を心のどこかで意識していないと、
「どうしようどうしよう」
と心の中の矢印が自分を向いてばかりになってしまい、めざすところが見えづらくなる気がします。
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もう一つ心に残ったのが目の前のことを大切にする姿勢です。
これについては「ハイキャリア 通訳者のたまごたちへ」(テンナイン・コミュニケーション)の「若い人に望むこと」に柴原さんが書いていらっしゃいます。