50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2021-12-16 主要客先の開拓

2019年・2020年・2021年で各年の客先別売上高が最大の顧客は同じでした。

この顧客との縁はステーキハウスです。何かの集まりで同じテーブルに座り、通訳者仲間が私をその会社の役員に紹介してくれました。ごく軽い感じで。
「この人も通訳者だから、よろしく」

2018年5月に初めて業務を請け負い、2019年に依頼が急増しました。


そして2019年・2020年に3位、2021年に2位になった顧客も友人を通しての縁でした。都内の地理に詳しくない友人が取引先にあいさつに行くというので道案内として同行したら、その顧客は通訳エージェント。話のついでに登録となりました。その後業務打診があっても発注がキャンセルになったりこちらの都合が合わなかったりと、初回の業務までに9か月かかりました。

しかしその後は継続的に仕事を引き受けるようになります。


2021年に年間取引高第3位となった客先は通訳学校で出会った方の紹介。私の連絡先を知らなかったので通訳機材会社の人を経由して問い合わせがありました。


主要顧客上位すべてとの出会いは仲間の通訳者や知人・友人の紹介がきっかけでした。マーケティング活動、ウェブサイト、ソーシャルメディアは一切関係なし。大事なのはその出会いを大切にすることだと思っています。特別なことは不要で、
・またあの通訳者にお願いしたい
・またあの通訳者でもいいよ
とお客さんに言わせることができればいいのです。


神奈川県綾瀬市の「Yoko Food」(横浜のヨコだそうです)はインド料理とスリランカ料理を出すレストラン。店内は明るく清潔感があり、接客もとてもいい。

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2021-11-30 Zoom強し

突然現れて遠隔会議の代名詞になり、さらに一部では動詞にもなっているZoom。最低限の機能の同時通訳機能を他のアプリケーションより早く実装した割り切りも巧みでした。

会議やウェビナーを Zoom の言語通訳機能(簡易同時通訳)を使って複数言語で開催する際の通訳業務は増加しているような気もします。

この簡易同時通訳機能は会議参加者や聴衆が複数のデバイス(会議参加用と通訳音声聴取用)を使わずにすむのが特徴です。会議室の原音声または通訳音声の二者択一。制約や不自然さは当然生じますが、通訳専用のアプリケーションを使って会議参加者に通訳音声用の第2デバイススマートフォン等)を義務づけるよりはるかに手軽です。


複数通訳者体制のときにはパートナー通訳者の訳出音声が聞こえないのでちょっと工夫が必要です。短い講演が続く発表会形式なら事前に分担をはっきり決めて通訳者相互の連絡を取らなくても交代が可能でしょう。オンラインタイマーを共有してリセットするのが交代の合図、ということも可能です。しかしやはりパートナーの音声を聞けるほうが確実ですし、相互に連絡も取れて便利です。


通訳者相互の回線にも会議内容が流れるので顧客に黙って使うわけにはいきません。エージェントや通訳発注者に副会議室を用意してもらうのが確実です、もしくは通訳者が有料アカウントで会議室を用意すべきでしょう。


以下は Zoom 同時通訳をするときの現時点でのブロック図です。AG03と 302USBはそれぞれオーディオインターフェイスです(AG03: ヤマハ、302USB: Behringer XENYX)。購入時点が違うので異なるインターフェイスになりました。通訳者連絡用会議にはビデオも使って「手信号」も可能にしています(安心です)。

パートナー通訳者の音声は 302USBでアナログ化して AG03 で主会議室音声と混合しています。AG03 のボリュームつまみでそれぞれ音量を調節できるので便利です。音楽ではなく音声だけなので通訳者連絡用のPCから(302USBなしで)アナログで AG03 に接続しても音質面では十分かもしれません。

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2021-11-22 対価を支払う

会社勤務のときと自営業者をしている今とで、考え方が少し変わったことがあります。

自営業者には保護が限られているので、心身が業務に耐え、環境が業務を許し、顧客が存在することがとても大切だと思うようになりました。感謝の念が常にあります。

お世話になっているものにはそのしるしを届けようという気持ちが強くなりました。毎年少額ながら以下の団体に寄付をしています。

それから、定期的に業務で訪れる新宿駅南口で「ビッグイシュー」を必ず買っています。質の良い記事が多い。売っている人と私との距離はおそらく想像以上に近い。


横浜市保土ヶ谷区の「poro珈琲」はすっきりしたコーヒーを出す相模鉄道線沿線屈指のカフェ。poro はフィンランド語でトナカイ。

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2021-11-21 通訳の仕事 始め方・続け方

イカロス出版から 2021-10-10 に発売になった
通訳の仕事 始め方・続け方
が好評を呼んでいます。

記事の執筆・編集では日本会議通訳者協会の仲間が大活躍しました。私はちょっとだけお手伝いというか顔だけ出して、巻末特典動画を2本担当しました。

この本では通訳技能の具体的な学習は紹介にとどめ、独習者や通訳学校に通っている人にとって入手の難しい情報を伝えようとしています。書名のとおりといえましょう。


庭のみかんです。今年もたくさん。

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三浦半島三崎口」駅から海へ歩く道。

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2021-11-10 予定が重なったり

なぜか先約のある日の業務打診が多く、エージェントにとっても通訳者にとっても残念なことになっています。先のことはわからないのであまり工作することなく予定を入れていくのですが、いろいろと裏目に出ることもありますね。


仕事の流入経路をもう少し「耕してみる」必要も感じています。時間を確保して、その間は他のことをせずに今後の通訳者としての仕事の取り方だけを考えるのもすべきことかもしれません。


神奈川県中部の大和市・海老名市・綾瀬市愛川町にはスリランカ料理店が集まっています。東京の店より特色がはっきりしていて水準も高いと思います。
シナモンガーデン、ロイヤルグリーン、アイシャキッチン、Foodsland Restaurant、Easy Day、YOKO FOOD、Vanga Machanなど、どこもおすすめできます。
Foodsland Restaurant はムスリム系の店。カレーがきりりと辛く香りが高い。

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2021-11-01 折り返してしまう

通訳者としての職業人生の折り返し点を過ぎつつあるというお話です。


いつの日か最後の通訳をする日が来ます。
「今日が最後だ」
と意識して仕事をするか、後になって
「あの日が最後だった」
と思い出すことになるのか。

いつまで仕事をするのかと問われ、とりあえず
「67歳まで」
と答えたことがあります。航空運送事業の操縦士の年齢制限が68歳未満(日本国政府)ということから、なんとなくこのあたりでと思ったのです。

私の場合50歳を過ぎて通訳学校に通い始め、52歳で通訳エージェントから初の仕事を請け負いました。それが2014年です。いっぽう上記の「定年」は2029年にやってきます。つまり私の職業通訳者としての活動はわずか15年間しかないのです。

今年は2021年。初仕事をしてから満7年を過ぎ、通訳者として活動できる期間の半分を過ぎようとしています。ようやく自営業(フリーランス)通訳者らしい仕事をするようになったと思ったらもう折り返し点。現実はなかなか厳しいですね。


長く続けた他の仕事から商売替えを考えるときには
・(通訳者等に)なる
・(通訳者等で)いる
ことの意味、違いについて考えておくことが必要だと思います。


このように実をつける期間をなるべく長くしたいのですが。庭のみかん。

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2021-10-31 月ごとの変動が大きい

私の場合2021年は月ごとの売り上げ変動が大きいというお話です。


2021年の売り上げは3月・4月・7月・10月が好調で、5月と8月が極度に不振でした。乱高下と言っていいと思います。試みに2019年と2021年の月間売り上げで標準偏差を調べてみたら(エクセルの関数)かなり違いました。直感を数字で確認するのは興味深いと思います。

昨年2020年は「悪夢の年」となりました。年間売り上げが2019年の55%にとどまりましたから。2021年では2019年の90%くらいになりそうです。好調な月は2019年と同じくらいになりました。いままでの正味通訳報酬(売上からパートナー通訳者への分配・旅費精算・出張手当・拘束手当を除いたもの)の多かった月を見ると、
1.2021年3月
2.2019年7月
3.2019年10月
4.2021年10月
5.2019年9月
6.2021年4月
7.2021年7月
という順番です。2021年には2019年を上回る月があったことがわかります。


神奈川県綾瀬市スリランカ料理店「Easy Day」のライス&カリー。カリーは辛いビーフでした。豆の煮物、オクラの煮物、水菜のおかずにスリランカで食べている米。写真のように「ご飯エリア」があるとおかずを好きなようにご飯に混ぜられて食べやすい。

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