50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2021-03-25 うれしい照会

仕事でご一緒した通訳者の紹介で2019年に登録したエージェントがあります。

いくつか仕事をしましたが、2020年にコロナウイルス流行とともに業務がほぼなくなりました。それでも同社の方針として登録通訳者と連絡をとり、面談をしているとのこと。

面談は私が予想していたよりも長く時間を取り、内容が濃いものでした。

そしてしばらくしてから業務照会がありました。面談で話した内容に関するものです。こういうのはうれしいですね。

顧客からエージェントに発注が減っているのなら通訳者への照会も当然減ります。そうした事情をお互いに理解してまたの佳き日を待つのも建設的な関係と言えるでしょう。


川崎駅には良いインド料理店がいくつかあります。久しぶりに「タージ」に行きました。以前食べたときに印象が良かった店です。北インド料理が主体なのですが、看板に「北インド南インド料理」と書いてあります。昼のメニューに南の料理が1つだけありました。マサラドーサセットです。ドーサは豆の粉と豆の粉で作った生地を軽く発酵させて薄く焼いたもの。さくさくして良い香りです。このドーサでじゃがいも餡を包んだのがマサラドーサ。ココナツで作った一種のソース(ココナツチャトニ)を付けるととてもおいしい。日本ならカレーには福神漬けという感じでしょうか。豆と野菜のスープカレー「サンバル」も付きましたが、これが素晴らしい出来でした。片手間に作った数合わせではないですね。南インド専門店で主役として堂々と出せるサンバルでした。

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2021-03-21 「お声掛けリスト」に載っているかどうか

コロナウイルス流行の影響が大きかった2020年に年間売上が生涯最高になった通訳者仲間もいました。影響を受けない通訳形態(放送など)が専門というわけでもありません。

全体の需要が少なくなってもある程度の仕事は発生しているので、顧客やエージェントが発注する際の第一候補になっている通訳者には仕事が行っていたのだろうと想像します。

そして、通訳形態が遠隔である場合には通訳者側の備えができていた。もしくはエージェントが遠隔通訳スタジオを用意していた。


小規模のエージェントの仕事が主な通訳者の場合でも、そのエージェントの中で業務割り振りの優先度が高ければ継続して受注できたのだろうと思います。たとえば普通の年には「照会するときの通訳者 順番リスト」の1~10まで仕事を割り振っていたのがコロナによって業務量が減って1~5までになったとしたらどうでしょう。1・2・3番の通訳者には大きな変化は起こりません。4・5番の通訳者は
「業務が減った」
と感じ、6番以降は
「消滅した」
と感じることになりそうです。


もちろんこの「順番」は一定のものではなく、業務の種類や顧客の好みによって変わるはずです。通訳技能は大きな要素ですが、それだけでもない。

以上は私の想像ですが、そう大きくは外していないと思います。


アオちゃんも元気そうです。

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久しぶりにビリヤニを食べました。神奈川県相模原市、「小田急相模原」駅近くの「羊屋」(ひつじや)です。南インド料理が専門。写真左奥はライタ(ヨーグルトサラダ)、右はグレービー(具なしのカレー)です。好みでビリヤニに混ぜて食べます。

2021-03-20 回復基調は続くのか

売上が2019年と同水準になったというお話です。


開業以来年間最大の売り上げを記録したのが 2019年です。

そして2021年の1月から3月までの売り上げが2019年の同じ期間に並びました。3月の業務が増加したためです。2019年に年間売上の内訳で首位だった客先からの発注が主な要因です。歴史は繰り返す、という感じがします。

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一時的な需要増なのか、それとも他の客先からの受注も増えるのかはわかりません。通訳役務を必要とする顧客が存在して、そこから声がかかっているのは事実です。


遠隔通訳に対応できるよう機材を整備し、通訳者仲間と情報交換をしたのはとても役にたちました。

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暖かくなりました。ヒヨドリが特に元気です。

2021-03-14 離陸には滑走が必要だった

あわてるな、というお話です。


このブログで何度か引き合いに出している通訳学校講師のことば:

5年で仮免許、10年でなんとか水平飛行

ふりかえってみると本当にそうだと思います。


たいていの職業では、新規市場参入者はどこでもいいから「もぐり込む」ことで商売を始めます。飲食店を開きたいならどこかの店で下働きをしながら学ぶ。医師・会計士・弁護士といった専門職もたいていはどこかの病院や事務所に所属するのが初めの一歩になります。

通訳者もたいていはそうなります。通訳エージェンシー併設の教育機関を終了すればそのエージェンシーが「当てがった」現場に出て初仕事になることが多い(私もそうでした)。通訳学校に行かない人も何らかの紹介やつてを頼って仕事を始めることになるはずです。


私は 2014年3月に初仕事をしました。そこからの経緯を参考までにお示しします。現在いろいろと不安を感じながら学習している人、どのような仕事をしようかと考えている人の参考になれば幸いです。グラフのとおり2017年から受注が増え始めましたが、特に行動を変えたわけではありません。通訳市場で少しずつ名前を思い出してもらえるようになっただけです。営業活動の第一は
「しっかり現場を納めること」
です。ウェブサイトを作ったりソーシャルメディアで気の利いたことを投稿したり人目を惹くブログを書くことではない。

  • 顧客を満足させ、
  • 手配者の面目を保ち、
  • 通訳者仲間の期待を裏切らない

これが最も効果的な「営業」だと思います。

※ 経済情勢や技術の変化で今後の事情は私の経験と大きく異なる可能性があります。

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2021-03-06 仕事の数

通訳者の世間話で最近よく聞くのは
「コロナ禍でも仕事はある程度確保しているが、『思ってもみなかった仕事』や『いつかしてみたいと思っていた仕事』の照会がすっかり減った」
ということです。


私もまったく同感です。
「あ、こんなの来たか!」
という小さな驚きが昨年・今年はめったにありません。

以前から多くの発注をいただいている種類の仕事の売り上げが全体のほぼすべて。

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左:全日業務、中:半日業務、右:合計(金額の割合)

在宅遠隔が多いので半日業務の割合が高くなりました。お客さんの会議参加者も遠隔で午前・午後では疲れてしまうのでしょう。


そうはいっても今年になってから新しい種類の仕事や新しいエージェントからの仕事も発生してはいます。ひとつひとつの縁、目の前の仕事を大切にする姿勢を変えずに過ごします。


アオサギのアオちゃんとダイサギのダイちゃん(共に仮称)。ダイちゃんはさかんに歩き回って魚を追います。アオちゃんは一撃必殺法なのでしょうか。自宅から数十メートルの場所です。

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2021-03-04 出会い

初めて組む通訳者と担当する仕事が少なくなったというお話です。


今年(2021年)は1月から業務量がかなり増え(2020年比)、2019年の水準にかなり近くなりました。自営業としてなんとか持続可能な感じがしてきました。昨年は3月、4月に史上初の緊急事態宣言の影響で一気に業務量が減少したのでした。

仕事の内容は以前から担当しているものが多くなっています。新しい顧客の仕事と出会う回数が減っていますね。通訳エージェントに初めて問い合わせる企業の数も少なくなっているのだろうと思います。


そんな状況ですが、最近オンライン通訳で初めて組む通訳者と仕事をすることがありました。打合せでカメラをONにすれば顔は画面に小さく表示されますが、たいていはお互い姿を見ないで仕事をします。それでもメールやチャットアプリのやりとりで人柄が伝わってくるものです。安心して打合せや情報交換ができると本番でも十分に力を発揮できる気がします。


小型のミキサーは音質の劣化があり、グラウンド配線に問題があるのかときどき雑音を発していました。Zoom 同時通訳ではパートナー音声が聞こえないので、私は別途通訳者音声を聞く経路を設定し、その音声と会場音声を混合しています。今回はオーディオインターフェイスの2系統入力を使いました。パートナーの訳出が終わるのをミュートアイコンだけではなく音声で確認できます。

音質も良いのですが、非常に助かったのが音量つまみ・フェーダーつまみです。やはり画面上のスライダーやキーボードより使いやすいですね。

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オーディオインターフェイス  Behringer Xenyx302USB
マイクロフォン Yeti Nano
イヤフォン audio technica ATH-CM707
写真の4個のピンプラグ(RCAプラグ)はPCの 3.5mm 音声出力に接続(L/R x PC2台)

2021-02-20 オンラインセミナー

コロナウイルス流行で突然一般的になったオンラインセミナーについてのお話です。


通訳学校で講師をしたのが 2018年3月まで。その後しばらく間が空き、2020年の3月に通訳業務を顧客から直接受注するときの注意点についてオンライン講習会を実施しました。同年8月には日本通訳翻訳フォーラム2020でも担当しています。

今年2021年2月には関根マイクさんが主宰する「英語通訳塾」でノートテイキングで1回、サイトトランスレーションで1回講師役を担当しています。


終わったときの疲れかたが物理的な部屋のときと少し違う気がします。オンライン講習が終わると体がこわばっているのがわかります。カメラが自分の姿を映し、マイクロフォンが声を拾うという状態では知らず知らずのうちに緊張してしまうのでしょう。

自分で気が付かない緊張はなかなか解消できないのですが、画面の共有やチャット・Q&Aの使い方は回数を重ねると戸惑わなくなりますね。スライドの送り方や音声・動画の再生ももたつかなくなります。

慣れは偉大だ。


アオちゃん&カルガモ

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