通訳を生業にしていると、ときどきとてもうれしいことがあるというお話です。
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「今日はうまいこと訳せた」
と感じることはまずありません。むしろ
「もっと良い言い方があったな」
「ひょっとすると通訳者の理解が及んでいなかったのかもしれない」
「お客さん相互がわかり合っていたようだから、あれでよかったのだ」
といった感想を持つことが多いですね。
元の発言に迫ろうとするけど、決して同一にはなりえない。絶対的な正解のないことをしています。
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それでもうれしいことはときどき起こりえます。そんなことが最近もありました。直接契約で通訳を提供しているお客さんの業務日に私の予定が合わなかったので、信頼する通訳者を2人紹介して現場に出てもらいました。
うれしいことは3つ。
- まず、その通訳者2名が引き受けてくれたこと。仕事の中身もあれこれ尋ねられませんでした。
- 次に、お客さんは何の疑問も持たずにその2人の手配を決めたこと。
- そして、その次に私が出向いたとき
「良い通訳者を紹介してくれてありがとう」
と感謝されたこと。
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自分の代わりをしてくれそうな人を知っているだけではちょっと足りない。実際に現場に行ってもらえるかどうか。こうしたことが個人事業主間のゆるやかな、しかし相互信頼に基づいた関係の基盤になるように思います。
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崎陽軒の「おべんとう 夏」。崎陽軒の弁当はけっこう好きです。