「ああ、こういうことだったのか」
と何かをわかった気がしても、やがてまた同じ思いをするというお話です。
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通訳者は逐次通訳をするときも同時通訳をするときも等しく忙しい。逐次通訳では聞いているときから訳出の精神活動は始まっていて、聞いて・理解して・ノートを取って・訳の算段をして、ということが混然一体と進行しているように思います。
このことは通訳学校に行っていたときから知識としてはわかっていましたが、ごく最近逐次通訳ばかりを集中して担当する機会に
「なるほど、しっかり聞くってこういうことなのかもしれない」
と改めて感じることがありました。聞いて、話全体の意味をぐっとつかみとる集中の程度が今までは甘かったのかもしれないと思ったのです。
以前にわかったつもりだったことは実はたまねぎの層みたいなもので、同じような「発見」はまだまだ続くようです。
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窓際の席で昼食です。