50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2019-05-15 読み違い

策士策に溺れるお話です。

複数の会社で経営幹部の会議で定期的に仕事をしています。この分野の仕事を始めたのは通っていたインタースクールの母体の通訳派遣会社のおかげ。

企業活動の川上から川下、研究開発から設計・製造・販売、管理部門までなんでも出てきます。思い出すのは以前に勤務していた会社の創業者が述べたことば。

経営は経営者が全身全霊で練り上げるものだ


企業勤務時代にグループ企業の設立や清算も担当したので会議の議題にはたいてい「見通し」が利きます。
「あ、あっち系のお話ね…」
という感じで。

しかし気をつけないといけません。かなり高度な話題が出る会議の準備で資料を読んでいたのですがどうしても腑に落ちない。おそらく訳すことはできるだろうけど、理解ができない部分があると不安です。特に日本語の質疑応答が危ない。質問者も回答者も話題を十分に理解して発言するので前提部分をすっ飛ばすときが多い。英語や他の西欧言語、また中国語は理屈の鎖をきっちりつなげる言語(暑苦しい言語)なので通訳者の訳出にはレンガを積むときのコンクリート・タイルの目地のような「つなぎ」が必要になるときもあると思います。そのときに話題をひととおり理解していないととんでもない誤訳をしたり微妙にずれた訳を出してしまったりする可能性があると考えています。


今回は資料を読むときに私の側に思い込みがあって理解が妨げられていました。資料を素直に読み直してようやく自分の思い違いに気づいてほっとしました。危ないところでした。

資料を読むときには自分の知識は総動員すべきなのですが、それが予断につながって理解のじゃまになっては困りますね。良い経験をしたと思います。


「胴切り」をして高さを三分の一に詰めたサボテンが花をつけました。よかった…。

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インド料理も作ってます。
ムングダール(緑豆のひきわり)とチェティナード野菜。

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