50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2019-04-28 通訳報酬の推移

通訳業を始めたときの初年度売上は微々たるものでした。それ以降上下動はありながらもゆるやかに上昇を続け、開業3年後からかなりしっかりとした足取りで推移するようになりました。

特別な事情(技能が卓越している・高報酬を払う顧客と特別な関係にある、等)がない限り、やはり年単位で仕事の質・量を広げていくことになるはずです。

3か月ごとに月間売上額の移動平均を取り、グラフにしてみました。毎月の変動が表面に出なくなって大きな流れが見やすくなったと思います。ありがたいことに増加傾向はまだ続くように感じます。

 

 

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首都圏で全日(午前・午後合わせて拘束8時間程度まで)業務の1日報酬が5万円~6万円程度になるといわゆる「トンデモ案件」(思わぬ展開・顧客の理解不足・エージェントの読み不足・そもそも無理という業務)がなくなり、顧客も通訳者を専門職として扱ってくれるようになるような気がします(通訳の形態・業界で大きく異なりますが)。つまり、報酬額が高くなると業務内容は高度になるかもしれませんが、仕事のしやすさも向上する。

そして例えば日額5万円で年間200日稼働すると年間報酬は1千万円になり、退職年金制度のある企業に勤める年収5~600万円の社員とだいたい同じくらになってくるのではないでしょうか(企業年金・厚生年金の現在価値等も考えて)。

「なんだ、それっぽちか」
と感じる方もいるかもしれません。そうなんです。社会保険適用・退職年金制度があり、有給休暇の取得率が高い企業はそれだけ(所得面では)有利なんです。年次有給休暇の威力ってすごいですよ。年間20日を「有給で」休めるということは、1日あたり4万円として80万円の「金券」がもらえるようなものです。育児休業や介護休業、健康保険による傷病手当金を使う場面も考えると企業勤務の比較優位はさらに高くなります。


ただし私の場合は企業勤務の楽しさ・厳しさを十分に経験してから自営業に進んだので
「人生が2度おいしい」
経験ができています。企業という強力なエンジンを使うからこそできることも体験しました。管理職として事業計画を作り人をまとめる難しさも十分に味わいました。そして今は自営業者として何でも自分で決め、日々新しい経験ができています。平日休もうと思えばだれに気兼ねすることなくいつでも簡単に休めますし、引き受けたくない仕事は「パス」しても誰も文句を言いません。

さらにちょっぴり狡猾で、自営業者は厚生年金の被保険者ではないので、事業収入があっても老齢厚生年金は全額支給となります(給与所得だと支給停止(一部または全部)がある)。「定年後に自営業は年金受給面で最も有利」といわれるゆえんです。


お弁当が楽しみなお客さん、こんどは新傾向…。

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