50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2018-11-08 経験の効果・準備

分野にはなじみがあってもお客さんの顔ぶれと通訳の結果が使われる先がいままでよりだいぶ重いという仕事もあります。

内容はよく知っていても、それを他の人が語るのを訳すのは自分で話すのとは違いますね。

基礎知識が十分な分野で準備をするのは独特の難しさがあるように思います。集中が難しい。飽きてしまいがち。
「コレはアレのことだから、きっと訳せるさ」
とつぶやく虫が心中に出てくる。

今回はそうした声を押し殺して資料を念入りに読み、印をつけ、書き込みをしました。

現場に出てみて、準備をしていてよかったと感じました。なんとか話者と歩調が合いました(外から見ると合っていなかったかもしれません)。


準備に力を入れてよかったことは、話の展開についていけるのでその他の点に注意が届くことでしょうか。
「ちょっと違う」
「そこまでは言っていない」
「それでは弱い」
「重要なのはそっちではない」
私の訳を聞いたら話者はこんなふうに思わないだろうか。訳す前に話者のこうした反応を想像して訳に反映する。こうして文字にすると煩雑ですが、訳しているときには一瞬の判断になります。ひょっとするとこういった努力を続けていくと
「無私」
にわずかでも近づくのかもしれません。


店の人が盆から皿を下ろしていきます。なぜか皿相互に距離を取って…。魚も味噌汁もとてもおいしい。かなり丁寧に作っていることがうかがえます。

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