今まで何度か担当した会議の続きに入りました。仲良く仕事をしてきた通訳者仲間といっしょです。あまり危険な香りのしない現場だといえるでしょう。参加者や用語にもなじみがあります。
ところが通訳してみたら実に難しい。話の密度が高く、速さも相当です。何があったのか。
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会議の話題となるプロジェクトが動き出し、いろいろと課題が出てきたからでしょうね。会議の参加者もいろいろと主張したり議論したりする必要が出てきた。何度か会議を続けてきてお互いの遠慮もなくなってきたのかもしれません。
通訳者の「慣れ」による通訳の向上が会議の深化に追いつかないこともある。質の高い通訳を提供するには事前準備や周辺知識も重要ながら、根本となる「狭義の通訳力」も鍵となるのを再確認しました。この能力にはいろいろな要素があり、人によっても場面によっても定義は異なるはずです(故に「」を付しました)。
特に話者に追われると感じるときには瞬時の理解が追い付かないのでしょうね。同時通訳では反射的に訳を出しているようで、実はその短い短い時間内に
- 聞いて
- 文法・文脈を読み取って
- 瞬時に理解して(非言語領域?)
- 言うべきことを決めて(まだ非言語の世界)
- 他の言語で構成して(再度言語の領域へ)
- 訳出する
ということをしている気がします。というか、そうしなければ訳は出ません。
理解の早さは重要だと最近よく思います。「理解エンジン」は入力が何かあってから立ち上がるのではなく、ハードディスクの円盤のように常時しゅーんと回転していて、何か入ってきたら即時に反応するような感じ。これは「訳出エンジン」でも同様ですね。
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西新宿の住宅地、目立たないところにある「コチンニヴァース」。南インド料理の老舗です。久しぶりに食べましたが、やはりおいしい。スパイスをたくさん使うわけでもない。何かがうまく調和しているからおいしいという印象を受けます。青菜入りプラオ(炊き込みご飯)とキーマ(ひき肉)カレー。プラオが薄味、キーマが味しっかり。さすがの組み合わせです。