50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2018-08-30 超えた

通訳業務はエクセルの表で記録しています。今後の業務も先日付でどんどん書き足しているので、いままで照会のあった業務がすべて確定した場合の年間売上を常時把握しています。交通費も入力し、源泉徴収税額も自動計算しているのでそのまま確定申告の資料になります。エージェント毎の受注件数や単価もグラフで表示しています。

通訳報酬は

  1. 狭義の通訳報酬(日額と時間超過分)
  2. 各種手当(移動拘束費・日当・作業手当)
  3. 実費(交通費・宿泊費・その他業務日)

に分類しているので年度ごとの比較が容易です。管理指標には上記1を使っています。IFRSで言う「コア利益」みたいな感じですね。


新しい年度が始まる前に自分なりの年間目標を手帳に書き出しています。狭義の通訳報酬の金額、業務日数、業務の内容など。

8月が終る時点で今年の通訳報酬が昨年の年間分を超えました。今後引き合いが来て確定するものが前年比純増となるわけです。件数は微増ですが、単価が伸びたことが大きく影響しました。

通訳者の所得の計算は簡単で
単価 × 件数
です。年収を増やしたかったら報酬の高い仕事をするか件数を増やすか、あるいはその両方です。


単価の追及は非常に重要だと思います。

  1. 顧客によって価格に対する考えかた・感応度が違う。法律事務所・戦略コンサルタント・高級嗜好品といった業界では通訳報酬が10万円でも20万円でも「誤差のうち」ということもありえます。ホテルの従業員にロレックスの時計をチップに渡す大富豪なら通訳報酬が百万円でも気にしないかもしれません。いっぽう費用管理に厳しい業界では通訳報酬に向ける目も厳しい。
  2. たとえば6万円の仕事を2日するのと3万円の仕事を4日するのとは同じ収入を生みます。それだったら日数を減らして業務の準備・日常の学習・余暇・家事に時間を使ったほうが仕事にも生活にも良いことがありそうです。通訳業界では報酬は必ずしも業務の難易度に対応しませんし…。私が以前勤務していた企業の幹部はこう言っていました。
    「仕事をしないでカネをもらうのが最高、仕事をしてカネをもらうのがその次。最悪は仕事をしてカネをもらい損ねることだ」
    仕事をすれば瑕疵担保責任も生じます。厳しい競争を経験した人による含蓄のある言葉だと思います。
  3. 人間は高い対価を払ったものを「良いものだ」と感じる傾向があります。対価が価値を決めるというわけですね。無料でもらったものは大切にしませんし、それなりの対価を払ったものは大切にします(ブランド品や高級車が典型です)。通訳にも同様なことがある程度あてはまるように思います。
    「けっこう高かったけど、それなりのことはある。さすがだ」
    と言われるように技能を高めて立ち居振る舞いも洗練させたいものです。


私にとって新幹線とは東北や上越です…。

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そしてこのような駅に着くのです。

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