50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2018-06-21 パナガイドを集音に使う

簡易同時通訳用の機器として日本では事実上標準のパナガイド。通訳者は送信にだけ使うことが多いのですが、集音に使うという手もあります。

たとえば会議室に参加者が10人。「コ」の字や「ロ」の字にテーブルを並べて参加者が着席すると通訳者から遠い人がどうしても出てきます。通訳者から遠いところに座る人に限って小声で話すというジンクスがありますね。そうなると通訳者が発言を聞き取るのがとても難しくなります。聞くだけならなんとかなるかもしれませんが、聞きながら話すので通訳者自身の声がじゃまになる。この厳しさは会議の参加者になかなか理解してもらえません。

そこでパナガイドの送受信機をもう一組使います。送信機に無指向性のマイクロフォンをつなげて会議室の中央に置かせてもらいます。椅子を置いて背もたれにマイクロフォンをテープで固定するのが便利でしょうか。そして受信機は通訳者が使ってイヤフォンで音を取ります(ステレオイヤフォンの場合、ステレオ・モノ変換プラグが必要です。さもないと片耳しか聞こえません)。

パナガイド標準のネクタイピン型マイク(銀色の円柱型)もなかなか良い仕事をします。かなり高感度で
「パナガイド、なかなかやるな」
と思わせます。

チャンネル設定例:
英語送信 1ch
日本語送信 2ch
通訳者用 5ch

この方法を試すと
「なぜ今までこうしなかったのだろう…」
としみじみ思います。部屋の片隅に離れて座って、テーブルに資料を置いて通訳できるのですから…。

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