定期的に担当する同時通訳では話者が話す速度がかなりのもので、どのように対処するかいろいろと考えて練習をしてきました。その他によく担当する現場でも同様に速さがまず第一の課題となっていたので
・遅れず
・訳出は完結した文で
・あわてている気配を消して
という点を意識して練習していました。
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速度に対処する練習だけでは何かが不足する気がして、かなりゆっくりとした語りの素材を使った練習も始めてみました。
発見がありますね。試してみてよかった。
・訳出をどの程度遅らせても安全か
・適切な表現を選ぼうとすると負担がどの程度になるのか
といったことが課題として浮かび上がってきます。
特に「遅らせる」点は同時通訳の永遠の課題という気がします。同時通訳が「同時」であるいわれ、つまり
・聞く・話すという2つのことを
・同時におこなう
ことの難しさを、速さに追われているときとは少し違った観点で見ることになりました(速いときには訳している最中にはあまり考えることができず、終わったときには「大変だった」「終わってよかった」という感想が強いのかも)。
ゆっくりとした語りを同時通訳していくと、私の場合
「聞く・話すという異なることをうまく両立させなければ」
という実感が強くなります。高所に張られた綱の上を走って渡るのが早口の通訳なら、ゆっくりと歩いて渡るのが遅い話者の通訳とでもいいましょうか。いろいろ考える間もありますし、深い谷底を見ることもありそうです。余計なことは考えてはいけませんが、絶対的な「作業時間」は増えています。時間という貴重な資源は何かに使えるのではないか。いや、使わねばならない…。
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川崎駅の海側(東口側)で安心して入れるインド料理店に出会いました。「TAJ」(タージ)です。インド人以外の経営・調理による「焼きたてナンとカレーの店」とは違って、「この料理はこう作るものだ」という芯が通っている気がします。小ライスにタイ米を使うあたりも賢明。