インタースクールのプロ速成科は1年過程で、中間と期末とに試験がありました。
中間は今思い出しても恥ずかしい出来でした。
「脱げそうなゴム長靴を履いてぬかるみを歩くような訳」
だったと思います。
期末試験ではやや勢いのある訳を出すことができました。
試験の段になってようやく
「ああ、通訳ってこんなふうに訳を出せばいいのか!」
と初めて実感した気がします。終わったときに少し伸び伸びした気分になりました。
あのとき、私の意識は外の聴衆・顧客に向いたのだと思います。それまでは意識が
「どうしたらうまく出せるか・間違えないか・減点されないか」
と内に向いて、縮こまっていた気がします。