50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2016-02-20 フタを開けてみると

通訳を発注する側は通訳形態については詳しくない場合が多いでしょうね。発注者が心配するのは
「外国語を使う人がいて、その言語を使わない人がいるから通訳が必要だろう」
というところまでで良いと思います。

それを具体的な形に仕上げて見積書にするのが通訳者あるいは通訳エージェンシー営業担当者の腕の見せどころ。ただ、

  • どの言語を話す人が
  • 何人いて
  • どの人がどのような立場でどれだけ話すか
  • そしてそれはどのような場所で
  • どんな機材・施設があるか

ということがなかなか決まらなかったりわからなかったり…。


出かけてみたらいろいろ起こります。聞いていた話と違うこともあるでしょう。私の短い経験でも、逐次・ウィスパリング・同時の別は流動的だと感じます。特に「厳密に逐次だけ」という仕事は生産現場や司法関係、面談、マッチング(お見合い型)商談などに限られるような気がします(依頼が「逐次」となっていても)。

「聞いていた話と違う」
という状況にストレスを強く感じる人にはあまり向いていない仕事かもしれません。適度に「鈍感」で柔軟に対応し、それをさりげな~く顧客やエージェンシーにアピールできればそれだけでもかなり「使いやすい通訳者」になれそうな気が…。

顧客にも通訳事情をわかっていただきたいのは山々ですが、客を教育しようという試みはたいてい失敗します。起こっていることはとりあえず現実で、それは相手にとって利害が関係しない限り(痛みがない限り)変わらないと思っていたほうが建設的ではないかと。

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最近何かと縁のあるアクラライン。天気に恵まれました。