通訳の仕事に出て会場に入るときの気分はなんとも表現し難いものです。
「ああ、やっぱり来てしまった」
とでもいいましょうか。
昨日の記事で再度紹介した Sullenberger 元機長の談話を思い出します。旅客機を無事に川に降ろせる自信はあったのかと問われ、こう答えています。
"I was confident I could do it, yes."
"What made you so confident?"
"My experience. I just knew that it was possible."
以前の職場の経験からこの感覚は理解できます。会社の設立・合併・閉鎖に伴う社会保険や税務の取り扱いなど、どこからどう手をつけて、どのくらいの手間で終わりそうかがだいたいわかる。なぜかというと、やはり
"My expericence."
としか言いようがありません。
▼
通訳の道に入ってからしばらくの間、たまたまの縁で機械を目の前にする通訳業務を担当しました。タンクを配管でつなぐ装置(石油化学・水処理など)や電気(発電・送電・動力・計装など)を扱う通訳だと、現物や図面を見て
「たぶん(通訳は)なんとかなる」
と感じることが多くなりました。これが他の分野・場面にも広がるとまた違った光景が見えてくるのだろうと思います。