50歳で始めた通訳訓練

会社員からフリーランス通訳者に転身。同時通訳ブースに入り、通訳学校の講師に。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2015-11-27 備えよ常に(2)

【想定1】
通訳仲介会社からの照会メールに
逐次1名体制」
と書いてありました。

さて、現場に到着して出迎えてもらいます。部屋へと通されます。簡易同時通訳機材(パナガイド)が無造作にトートバッグに入っています。参加者はごく当然のようにイヤフォンを着用…。

【想定2】
こんどは
「主催者あいさつ・主賓あいさつは各通訳者が担当するテーブルでウィスパリングにより内容を伝えてください」
と書いてあります。

甘~い。運悪く一番前に立っていたので引っ張られて演台の横に立たされ、マイクロフォンで逐次通訳。テレビ局が来ていてカメラを向けられるし照明が目に入るし…。

以上は通訳者諸氏から聞いた話や私が見かけた例を組み合わせて脚色したフィクションですが、こうしたことは現実に毎日のように起こっているはずです。

通訳を発注する人が内容をよく理解していないときもありますし、主催者や参加者が当日会場に入ってみたら会場の音響や施設が考えていたのと違ったということもあるでしょう。

文句を言っても状況は変わりません。落ち着いて淡々と業務を済ませ、あとで仲介会社に事情を説明し(責めてはいけません)、コーディネイターや営業担当者に
「いやー、すみませんでした。柔軟に対応していただいて助かりました」
と言わせましょう。世話になる人に恩を売る絶好の機会です。個人事業主としては「よいこと」ととらえてもいいかもしれません。

予期せぬ展開で十分な訳出ができないかもしれませんが、その日に限っては自分の責任ではないのです。たまたま自分の実力が足りなかっただけです。言い訳は一切せず、にこやかにプロらしく引き揚げましょう。苦労話は親しい友とすればいい。