50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2015-10-05 通訳学校 どこが良いか

通訳学校2015年10月期の募集もそろそろ大詰めでしょうか。

学校選びで一つお伝えできることがあるとすれば、
「『まあいいかな』と思えれば、それで良いのでは」
ということです。

通訳訓練については多くのサンプルを使った追跡調査が行われたこともなく、教授法というのは
「あるような・ないような」
状況です。ヨーロッパ・オーストラリアの通訳養成課程では通訳理論を授業に取り入れていますが、それが通訳訓練や通訳者としての能力にどれだけ影響があるかという比較がなかなか見当たりません。逐次と同時とのどちらを先に訓練すべきか(あるいは同時に教授すべきか)でも意見が分かれているようですし…。

通訳「理論」の堂々巡り - ハイキャリア - 通訳・翻訳者リレーブログ


訓練の時間が重要なのはまず間違いないので、うまく自分を「乗せて」学習を生活の一部に取り込んでいく方策を考えたほうが実利は多いように思います。

入れるクラスが学校によって違ったとしたって、そんなことはどうでも良いことかもしれません。最初の学期(半年が多い)で通訳訓練が終わりということはまずないので、次の期で自分にふさわしいクラスに上がるか下がるかしますから…。


エージェント併設校の場合、受講生を長く通わせるためになかなか進級させない・修了させないという想像はおそらく正しくありません。講師も教材も教室も不要で利益を生む通訳者を抱え込むほうがずっと割が良いはずです。通訳学校は
「一段上のクラスに安心して送り込める受講生になってください」
「早く通訳者として世に出てください」
と念じて授業をしているのに、なかなか思うようにいかないというのが真相に近い気がします。


大手校のクラス分けについては Indy さんのブログ「Enigmatic Voices」の

通訳学校、3校レベル比較

の記載が妥当かと思います。


教材についてはどんなものでも通訳訓練に役立つと思います。国際機関の基調演説が訳せる人は少々の準備で決算説明会も訳せますし、微生物の生態について訳せれば地方自治体の再建についても大丈夫でしょう(大学学部レベルの内容までなら)。話の筋を見抜き、言語の文脈を追って適切な表現で出す。この根幹部分の訓練では内容はあまり関係ない気がしています。通訳の仕事に出ればそれこそ何でも扱いますし…。

 

 

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