桜が満開になり、早くも少しずつ散っていきます。
ふと通訳者・教育者の井上久美さんが亡くなったことを思い出しました。 2014年9月9日。知らせを聞いて驚きました。直前まで精力的に活動されていました。
もう10年以上も前ですが、井上さんともう一人の著名な教育者とが講師というぜいたくな英語の講習に出たことがあります。NIFTY SERVE(コンピュータ通信)の会議室で教えてもらいました。
井上さんとお会いしたのはこの機会だけでしたが、大きな力づけをいただきました。
コンピュータ通信で紹介してくれた方から
「Shiraさんのこと、『ああ、あのできる人ね』って先生言ってましたよ」
と後日何かの折に教えてもらいました。
この一言を思い出すたび、小さな暖かい石を懐に抱えているような気がします。私の英語はたいしたものではありませんでした。それでも授業からできるだけのものを持って帰ろうとは思っていました。それを見ていてくれたのかもしれません。
最終日は参加者で食事をしました。井上さんの楽しい話を思い出します。
「あの一言を胸に、なんとか通訳者らしいことをするようになりました」
と一言お伝えしたかった。感謝したいときに、それがもう遅いことが世の中にはあるのだと、無言のうちにまた教えてもらったのかもしれません。