日本語が母語で、英語を外国語として学習した通訳者がいるとします。
こうした通訳者は日本人の顧客に受けが良いことが多い。自然でわかりやすい日本語が出てくるからですね。
それとは反対に英語を母語話者とする顧客の評価はいま一つかもしれません。
「とてもおいしいの料理」
とか
「黒白写真」
のように響く不自然さを完全に消し去れないからでしょう。
逆の例も真実でしょうね。
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外国語然としつつも確かな英語を使っていれば英語を母語とする顧客も安心してくれます。手加減せずに英語で話して通訳させているときにはそれなりの信頼が生まれているはずです。
「この通訳者は私と同じような英語は話さないが、正しく伝えてくれている」
と感じるからでしょう。
ただし、これは次善(second best)であることは肝に銘じておく必要があります。米国人から
「さすが通訳さん、日本語がすばらしいですね」
と言われ、日本人からは
「さすが通訳さん、英語がすばらしいですね」
と感心される、そんな almost fully bilingual な通訳者が増えつつあります。そうした通訳者に慣れている顧客の信頼を勝ち取るのは簡単ではないかもしれません。