50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2014-10-05 通訳学校に通って2年半(3)

2014-10-02 通訳学校に通って2年半(2)で講師から情報の捕捉・緊張について指摘を受けた話を書きました。

緊張(逐次訳)については自覚があまりなかったので、指摘してもらったのはありがたいことです(同時通訳では落ち着いた声なのだそうです)。

会社制度の説明会や社内教育の講師で人の前に立って話をする機会はかなりありました。少し前(2000年頃)には Toastmaster 活動もしていました。こんなことから、緊張には対処できるはずだと思っていました。

ですから、緊張が訳出に悪影響を及ぼすほどだという講評には少し意外な感じがします。訳している最中にはさほど緊張しているとは感じていませんでしたし…。

そこで、いつものように自分の声を録音して確認です(逐次訳)。

… ずいぶん緊張しています。聞き手を安心させるには少し問題がありますね。

逐次訳では
「さて、どうしようか(どう始めて、どう組み立てようか。何か落としていることはないか)」
と不安になるようです。つまり通訳の力が、技能が足りない。

年金や社会保険制度の説明会では
「私はこの分野の専門家だ。今日のための準備も十分にしてきた。ここ(演壇)に立って話をするのに適任なのだ」
と(無意識に)思っていたはずです。通訳でもこう感じる必要があるのでしょう。

また、通訳学校の授業や試験の雰囲気はちょっと特別だと感じます。講師や「同業者」の前では通訳者は丸裸ですから…。


とりあえずは練習回数を増やしてみます。緊張度が高まるように、初めて聞く音声をマイクに向かって逐次訳です。眠そうに訳してみるなどという試みもいいかもしれません。ボイストレーニングで教えてもらった
「息を吸ったら(息を止めずに)話し始める」
というのも有効でしょうね。簡単な内容なら緊張しないのか。逐次の区切りが短ければ緊張しないのか。練習した材料なら緊張しないのか。このあたりも観察していきたいところです。


通訳者丹埜段さんが通訳と緊張について記事を書いてらっしゃるのでご紹介します。