50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2014-09-24 読み方が少し変わったような

The Economist を購読しています。米国人が
「さすがに英国の老舗雑誌の英語は上手だ」
と言ったとか。

たしかに英語という器を使って自分の言いたいことを的確に表現する記者・編集者の手腕はなかなかだと思います。私の至らぬ感想では、The Economist の英語は
「読めば、読んだところまでの内容はしっかりわかる」
ように書いてある点で読みやすい。効果を狙ったところがないとも言えます。


通訳業務をして状況に合った自然な英語を聞いたあとでは The Economist を読むときの感覚が違ってきた気がします。なんでもない文章にいちいち
「なるほど、こう書くのか…」
と感心してしまうようになりました。おなじみの単語でさらりと書いてあるのですが、自分でそう書けるかというと、おそらく無理。文と文とのつながりに隙がなく、陸上競技のリレー走のように「バトンの受け渡し」が実にみごとです。Aということについて紹介したら、Aについて話をする。Aの話がBにどうつながるかをきちんと述べてからBの話に移行する。これを簡潔・正確に、かつ単調さを避けて書いていきます。

通訳学校の講師がよく言う
「理解できてあたりまえ。そこで終わらせず、自分で使えるかどうかをよく考えて」
という指導を秋の気配と共にしみじみと感じます。