外来語の特徴として、同じ語が異なる業界に専門用語として入ってきて、そのまま業界毎に異なった意味で使われている点が挙げられます。
たとえば frequency。電気工作小僧だった私にとって、 frequency = 周波数。ただ、元の英語ではもっと根源的な「頻度・回数」という意味なのですね。顧客が来店する頻度も frequency。
プライマーも塗装では「下地塗料」、内燃機関では「始動用補助燃料ポンプ」。動詞 prime は「準備させる」ですね。
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さて、通訳学習でも「プライマー」が存在して、かなり有効じゃないかと思いました。
通訳学校の教材に原稿を使った企業説明(日英=JE)がありました。発表者はだーっと読んじゃうわけです。理路整然ですが、通訳は大変。一カ所つまずいたら追いつけない。2週にわたってこの同時通訳の練習をしました。
さらにJEで政府要人の発表を取り扱いました。こちらも「だだーっ」です。
「こんなの無理。ぜったい無理」
というやつ。
それでも単語を調べて2回・3回と同じ部分を練習するとなんとか形になってきます。ピアノの練習みたいですね。
そして翌朝。BBCニュースを聞いて初回から同時通訳をしてみます。内容は米国経済の減速と住宅市場。なかなか快調です。落ち着いて訳が出せます(EJ)。今日はなぜこんなに調子がいいのでしょうか。
こんどはシャドウィング。やや遅らせ気味にしても心臓がどきどきしません。
おそらく最近の「圧力釜学習」の影響じゃないかと…。JE・EJ の差はあれど、全力で追いかけるという練習が「プライマー」になって、反応が早くなったのかもしれません。
こんなことに今頃気づくのですから、いままでさぼっていたのかも…。