50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2014-05-23 中国語の思い出

通訳訓練を始める前に6年ほど中国語を学習していました。きっかけは…

勤務先の会社の国際部門では年に1回進出先各国の責任者を集めて会議を開いていました。順番で東京が会場になり、私も参加する機会がありました。

会議では英語を使います。

そして休み時間…。

インドネシアや香港から来た人が普通話(標準中国語≒北京方言)で話しているのにびっくりしました。以前はくつろいだときには「お国言葉」だったはずです。つまり、家庭で福建語を話す華僑の間なら福建語、広東語も話すなら広東語(日系企業なので、タイやマレーシアでも中国系の人の採用が多くなりがち)。

中国の存在感の大きさをひしひしと感じました。1987-1990年に香港に住んでいたときには、デパートで幅をきかせていたのは広東語・英語の次は日本語でした。バブル景気と円高とで日本人が高級品をどんどん買い、フカヒレスープを注文していた時代です。

今や日本の影はすっかり薄くなり、高級ブランドショップには
普通話話します
人民元受け取ります
銀聯カード使えます
の3つの表示が標準になりました(日本の銀座でも同様ですね)。

自分の勤務先の現地法人責任者が普通話を話すのを聞いてかなり衝撃を受けました。

ここで考えたのが

「広東語や福建語は難しいし、教科書も少ない。普通話ならかなり学習しやすい。それに、ひょっとすると広域中華圏(greater China)の共通語は普通話になるかもしれない」

ということでした。業務上では英語を話しますが、飲茶をしながら、あるいはゴルフを回りながらの会話では相手の母語に近い言語を使うと相手との距離が一気に近づきます。日本に会議で来たイタリア人やスウェーデン人が居酒屋で日本語を話す場面を想像していただくとわかると思います。


しかし、学習してわかったのは中国語の出番は(今のところ)中華圏だけということです(あたりまえですが)。中国語を使い始めてわかったのは英語が使われる範囲の広さですね。バチカンからブラジルまで、グリーンランドからラオスまで、たぶん英語でなんとかなります。

英語で通訳訓練を開始したこともあり、中国語の学習はしばらくお休み状態となりました。台湾・中国に旅行に行ったり、東京・横浜で電車がわからなくなった中国人旅行者を助たりするときに使って密かに「通じた…」と自己満足する日々です。

昨日も引用した Steve Jobs の文句(connecting the dots)はここでも真実でした。中国の人名・地名が英語読みされてもかなりわかります。

2014-02-19 中国語発音速成(1)

2014-02-20 中国語発音速成(2)