50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2014-03-28 通訳業務体験・今後の学習

商談や行政協力の通訳をしてみて自分なりの感想を持つようになりました。

短い文を反射的に訳したり簡単な文章(内容は重大な場合もあります)を半同時(ウィスパリング)で通訳したりする仕事で経験を積み重ねても会議や改まったスピーチの通訳技能の向上にはつながりにくいかな、ということです。

「自分の通訳を人が聞いて、何かが起こって・進んでいく」という「現場感覚」を養うには大いに役立ちますが、「マイクロフォンを持った人」が話す内容を通訳する技能はちょっと別なものじゃないかと思います。

「マイクを持った人」がひとまとまりの考えを話し、それを通訳するときに必要になる能力。具体的には短期記憶を駆使し、文と文とのつがりを明らかにしてしっかりとした訳を構成していく能力ですね。内容の正確さと聞きやすさも必要です。簡単な質問とその回答という短いやりとりではこうした能力が問われにくい(ボロが出にくい)。

そして、通訳サービスを売る市場では多くの人ができることには高い価格が付かないのです。

少し学習で負荷をかけようかとインタースクール東京校の新設課程「会議通訳 プロ速成科」の試験・面接を受けてきました。受講が認められるかどうかは結果待ちですが、面接で聞いた話は内容が濃く、最短距離で通訳者になることをまじめに考えている人(特に通訳学校に通った経験のある人)なら聞いてみて損のないものではないかと思います。