50歳で始めた通訳訓練

会社員からフリーランス通訳者に転身。同時通訳ブースに入り、通訳学校の講師に。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2014-01-29 逐次通訳・同時通訳

インタースクール東京校には種々の課程がありますが、2013年10月期(2013年10月~2014年3月)では以下の2講座を履行しています(欲張ったので大変…)。
・会議通訳本科 III
・IR通訳コース II

共に同時通訳の導入となるコースでした。2012年4月に通学を始めたときには自分がヘッドセットを着用して同時通訳の練習をするなんて思っていませんでしたが、放り込まれてしまとなんとか泳ごうとするものです(泳げる、とは言ってませんよ)。


よくインターネット上の記事でも見かけますが、逐次通訳と同時通訳とは似ている面も多々ありますが、かなり異なった技能とも言えますね。どちらが難しいかというと、内容と通訳者によって異なった答えが返ってくると思います。

元発言が端正でさほど早口でなく、内容に親しみがある場合には同時通訳はかなり楽ではないかと思います。発言内容を記憶したりノートに取らずにすみます。聞き手もある程度は「同時だから」ということで洗練された言い回しまでは要求しないようです(最近は需給共に水準が上がってきていて大変らしい)。

重要な場面で、原発言者が十分に練った内容・表現で話すときの逐次通訳は大変でしょうね。内容の正確さに加え、品位も厳しく問われそうです。原発言者・聞き手が両言語に通じていることも珍しくありませんから、
話者「いや、私はそうは言っていません」
聴衆「いや、話者はそう言っていなかったんじゃないか」
という気持ちを抱かせてしまう危険があります。


同時通訳の練習を始めて感じたのは、逐次の練習は同時の基礎になるのはもちろん、その逆も真だろうなということです。同時通訳では「答えを探す」ヒマがありません。荒削りでも聞いて理解できる訳をとにかくお客さんに届ける必要があります。そしてこれは逐次通訳で元発言を聞きながら訳の構想を考えるのにも必要な作業だと思います。
逐次だからゆったりと聞き、聞こえたものをとりあえずメモにとり後で考えよう的なやり方では、当然逐次は無理です。聞いた瞬間に情報を処理していくプロセスは同通も逐次も同じで、違いはそれをすぐに言葉に出すか、それともメモに残しさらに洗練された表現、よりわかりやすい論理構成で訳出するかだと思います(上谷覚志さん ハイキャリア-やりなおし!英語道場)
※ 同時通訳について2つのスタイルを関川富士子さんが提唱しています( 同時通訳をする際のヒント)。どちらにするかを決めるのが大切と書いていらっしゃいますが、そこまで厳しく区別すべきかどうか、私には(今は)わかりません。