50歳で始めた通訳訓練

会社員からフリーランス通訳者に転身。同時通訳ブースに入り、通訳学校の講師に。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2013-10-17 通訳の方策・戦略

「IR会社訪問の通訳」(通訳技能向上センター主催)に参加した記事を先日書きました。

サイマルアカデミー講師の梅佳代さんの進行はきびきびとしてすばらしいものでした。最も印象に残ったのは(せっかちな)投資家の役に立つ通訳は
「結論から先に述べることが重要」
ということです。

ここで興味深かったのが、会議通訳の訓練を続けてきた参加者は原発言に忠実に(同時通訳的に)訳す傾向が非常に強かったことです。
Aさんが訳すと梅さんが
「いいですねー。△△というキモの部分を最初に出すともっと良いです」
Bさんの順番になると、やはり原文に忠実に訳出します。
「先ほども言いましたけど、この発言の中心は××という箇所ですから、訳出を待っているお客様にはそこから伝えてあげたいですね」
そしてCさんもやはり原文忠実型に訳し、同じような指摘を受けるわけです。

日常の訓練の影響は大きいですね。訳文(あるいは原発言)の再構成が必要だと頭でわかっていても、通訳の瞬間には負荷が高いので「なじみの方法」で訳出してしまいます。

こうしたことに気づくのもテーマを絞った講習会に出るおもしろさですね。

一般的な学習に関する梅さんの記事も示唆に富んでいると思います。
サイマル・アカデミーブログ 2007年4月4日
The more you put in, the more you get out.


あえて構成を変えて訳出するにあたっては、
「このほうが顧客のためになるのだ」
という確信が必要ですね。原発言者ではない通訳者がこの重責を担うのはちょっとコワい気もします。

このような点について IR通訳会社代表の起業ブログ の記事
「戦略的IR通訳」をテーマに講演します(11月23日(土)@東京)
は大変興味深い読み物になっています。

私のような初歩の学習者にはさほど関係がないのかもしれませんが、
「そんなこともある」
というのは知っていて損はないように思います。

JAT の InterpretJAPAN 2013 に参加する予定です。もし参加する方がいらっしゃいましたら会場でお会いしましょう。