50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2013-10-02 同時通訳ことはじめ--おすすめビデオ

臨時講座「通訳道場」ではわずかに同時通訳も経験しました。同時通訳訓練の経験のない受講者が複数参加していたため、儀礼的な部分が主体です。

通訳訓練を始めるべきか考えていたとき、将来同時通訳の訓練で壁にぶつかったら困ると思って様子だけは調べておきました。とても無理そうだと思ったら通訳訓練はやめておこうと思ったからです。

「はじめてのウィスパリング同時通訳」(柴田 バネッサ清美)を使って、ごく簡単な内容のゆっくりした録音で同時通訳をしてみました(2012年2月頃)。聞きながら・処理しながら話すというのは英語運用能力とはまた別の「芸」だと感じましたが、練習すればなんとかなると思ったのです。

2013年10月期からの会議本科III では同時通訳の練習も始まるようですから、他の受講者の足手まといにならないよう少しは慣れておくのがいいのかどうか…。

とりあえず、内容に親しみがあり、速度がゆっくりのものでときどき試してみようと思います。


2009年1月15日にニューヨークのラガーディア空港を離陸したUSエアウェイズ 1547 便が鳥の大群に突入し、全エンジンが停止してハドソン川に緊急着水する事故がありました。冷静な判断で死者皆無・負傷者2名にとどめた Sullenberger 機長のインタビューが非常に良い教材となりました。実直で冷静な、真のプロとしての姿勢に、通訳していて途中感情移入してしまう部分がありました。
問「乗客のことは考えましたか」
答「特には。ぼんやりとは意識していましたが、とにかくこの状況を解決するのに集中していましたから」

「私のいままでの経験すべてはこの困難を乗り切るためにあると思った」

飛行機大好き少年でしたので、用語は大丈夫でした。
thrust 推力
lift 揚力
APU (Auxiliary Power Unit) 補助動力装置

この機長の語りには「男が惚れる」魅力があります。

Captain Sullenberger on 60 Minutes

この便の最前列に座っていた男性の話もすばらしいと思います。わずか5分ですが、伝わることは豊かです。TED 視聴数は500万を超えています。

「正しくいようとすることはやめました。幸せでいようと思います」

Ric Elias: 3 things I learned while my plane crashed