50歳で始めた通訳訓練

会社員からフリーランス通訳者に転身。同時通訳ブースに入り、通訳学校の講師に。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2013-06-16 リテンション練習継続中

インタースクールでの昨年(2012年)10月期授業で講師に強力に薦められたリプロダクション(リテンション)練習は少しずつですが毎日取り組んでいます。

文が長くなると当然難しくなりますが、難易を決めるのは語数だけではないですね。

単語が難しいとそれを記憶するために注意力を使ってしまって文法や構成に余力が回らなくなります。主語・動詞・目的語の組み合わせが日本語の発想から大きく離れていると単語や文意に向ける注意が減ってしまいます。


人間は7けたの番号までなら記憶しやすいといった話をよく聞きます。英語でも短い文なら知らない単語が出てきても記憶できますね。ただ、この「7つ(5でも6でも良いのですが)」は単純に語数(word count)というわけでもなく、ここにカギの一つがあるような気がしてきました。

実際の文をとりあげてみましょう。

1.
Mr Erdogan has done more than any of his predecessors to settle matters with his country's 15m repressed and restless Kurds.

2.
Turkey has come to be seen as a model for nations emerging from the Arab spring. (The Economist June 8th-14th 2013)

1の文は21語ですが、おそらく聞いたり読んだりすると
has done
more than any of his predecessors
to settle matters with
といったように、グループにして情報を処理している気がします。

2の文でも同様に、
has come to be seen
as a model for nations
emerging from
といった感じ…。

この「まとまり」になじみが深いと(「常連」が多いと)語数が多い文でもけっこう記憶しておくことができます。記憶する要素数の限界が7としても、複数の語を1要素として扱えば単語数は増えるわけです。

脳内「常連」ライブラリが貧しいと自分勝手の入り込む余地が大きくなりそうです。"A's X" を "X of A" として憶えちゃったり。


リテンションは
・聞こえたままを記憶する(裸の記憶力)
・文として記憶する(自分の英文脳内コーパスに頼る)
・内容を支えとして記憶する(話の理解)
の合わせ技のように感じます。どの要素が欠けてもうまくいかない。

参考文献:
Wikipedia 日本語版 ワーキングメモリ