50歳で始めた通訳訓練

会社員からフリーランス通訳者に転身。同時通訳ブースに入り、通訳学校の講師に。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2013-03-04 国際シンポジウム

今日は同時通訳付の金融シンポジウムに聴衆として行ってきました。ヨーロッパ中央銀行前総裁トリシェ氏や元大蔵省財務官行天豊雄氏といった大物が出てくる会です。

日本人スピーカーも含め、全員が英語で話しました。

途中少しだけ通訳を聞いてみました(パナではなく、DIS というヨーロッパメーカーの受信機でした)。

さすがですね。話者が途中で言いよどんでもそこまでを訳出してしまわず、きちんと意味のかたまりにしてから落ち着いて出しています。場合によっては5秒ほども保持(リテイン)しています。同時通訳って、逐次通訳を同時にすることなのか!

原稿なしの座談会になるとプロの背景知識・準備の周到さを思い知ります。最新号の The Economist で読んだ話が飛び出しても平然と訳していきますし、金融シンポジウムでいきなり「gerrymandering」が出てきてもきちんと対応していたようです(この部分は通訳音声を聞いていなかった)。私は「ジェリマンダリング」と耳に入ってきたのが高校の公民で習った「ゲリマンダー」のことだとわかるまで数分の1秒かかりました…。

ヨーロッパ・アメリカ・シンガポール・日本の発表者でしたが、各地域の話者の特色が割合はっきりと出ていたと思います。トリシェ氏は何度か Herman van Rompuy 氏の言葉を引用していましたが、トリシェ氏自身の話の流れ(ヨーロッパの位置づけ)も van Rompuy 氏に近いように感じました。

現役の財務省財務官はさすがに用心深い発言でした。Abenomics を批判するようにとられてしまう(out of context で)ことを言うとまずいでしょうしね…。

聴衆には大企業・銀行の役員や中央官庁幹部が多かったようです。50代・60代中心ですが、半数は通訳なしで聞いていました。日本企業のエライ人はけっこう英語できるんですね(少なくとも金融では)…。これからの通訳者はたいへんだとしみじみ感じました。