50歳で始めた通訳訓練

会社員からフリーランス通訳者に転身。同時通訳ブースに入り、通訳学校の講師に。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2013-01-24 サイトトランスレーション(サイトラ)

サイトトランスレーション(サイトラ)は通訳訓練に役立つという話をそこここで見聞きしますが、1ヶ月ほど続けてみて確かにそうだなあと思うようになりました。

通訳の入り口が文字になっただけですものね。音声の聞き取りそのものが問題にならないので、いろいろな負荷を試すことが可能です。原文をすばやく理解し、聞いて理解できる訳出をするという、いわば通訳の「キモ」の部分を練習している気がします。


いまのところ

英→日は The Economist の記事
日→英は 朝日新聞の社説

という材料で進めています。
主張のある文書のほうが事実を伝える記事(ニュースや報告文書)よりも興味を持てますし、通訳訓練の素材としても好適じゃないかと思います。

サイトラと一口にいってもいろいろな方法がありますね。

・目が一度に追う範囲をごく短く区切って、不自然でも意味が伝わればよし、という訳出。速度・即応重視。短く切ったスラッシュリーディング風。

・少し長めに目で追って、同時通訳程度の「タメ」で出していく。

・自然な表現を重視して訳出する。理想は目的言語(target language)の原稿を読んでいるかのように。翻訳風。

どれが正しいということはなくて、学習の段階や目的によって使い分けてみるのがよさそうです。また、材料の難易度にも大きく左右されますね。同じ The Economist の記事でもノリノリでいけるものもあればかなりゴツゴツするものもありました。


訳出は声に出しますが、そのときに
・途切れない
・言い直さない
ようにしています。根拠は…知りません。自分なりのこだわりです。途切れないように訳出するためにはゆっくり話すことが必要ですね。言い直さないとかなり苦しい訳になるときもあります。そうしたときには第二案・第三案と数種類の訳を出してみます(文全体を言い直しているようなものですね)。

「簡単だな」と感じる材料でなめらかにまとまった量を練習するのも通訳訓練には有益だろうなと思います。