50歳で始めた通訳訓練

会社員からフリーランス通訳者に転身。同時通訳ブースに入り、通訳学校の講師に。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2012-10-28 再現(リプロダクション)練習

授業が3回目になり、受講者側も硬さが取れてきた気がします。

今回は新しい素材を使ってリプロダクション(音声を聞く・音声を止める・聞いた文をそのまま言う)練習から始まりました。

これは私の弱点だと思います。他の受講者に比べても再生の歩留まりが低い。訓練による伸びもあるのでしょうど、練習する前の状態での個人差も大きいように感じました(まあ、その他の練習でも個人差は大きいですけど)。

聞いた内容を(別の言語に変換して)口に出していくのが通訳行為ですから、通訳者はリプロダクションができて当然かもしれません。いきなりパラグラフ全体の再現は無理ですから、まずは短い範囲から始めるよう講師の指導がありました。教材にはわかりやすく、語りが明瞭であまり速くないものが向いているとのこと。

そういえば、通訳者のインタビューにこんな表現がありました:
逐次のリテンションについては竹藪を飛び越える忍者のようにある長さで訳せるようになったら、少しだけリテンションの長さを伸ばす、というやり方を繰り返して鍛えました。
毎日育って伸びていく竹を飛び越えるという話ですね。これで思い出すのがロケット工学の故糸川英夫博士が成年後にバレエの練習をした方法です。毎日配達される新聞を積んでいく。その高さまで足を持ち上げる。日々少しずつ新聞紙の山が高くなる…。やがて頭の高さまで足が上がるようになる…はず、という訓練。

糸川英夫の語録からもう一つ。
目標に向かって、一段ずつ階段を上っていく上で、いちばん肝心なことは、必ず、最初の一段を上るということである。そしてまた次に一段上るということである。
自分の時間・金を使って通訳学校に通いだしたのも立派な一段だと思います。ただし、学校や講師、教材は私の代わりに勉強してくれるわけではありませんね。さえないながらも、次の一段を上りましょう。そろそろと手を伸ばして、その「段」がどこにあるかを知ることから。