50歳で始めた通訳訓練

会社員からフリーランス通訳者に転身。同時通訳ブースに入り、通訳学校の講師に。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

学習

2017-08-28 日本通訳フォーラム2017 盛会

日本会議通訳者協会主催の日本通訳フォーラム2017 が 2017年8月26日に東京都渋谷区で開催されました。2015 年の初回・2016年の第2回で大きな成功を収め、期待が高まる中で前回をさらに上回る成果がありました。チケットが予約段階で完売となり(3年連続)…

2017-08-07 境界を広げる(快適な場所から少し踏み出してみる)

知っている人たちとなじみの場所で好きなものを飲んだり食べたり…。これは実に安心で楽しい。私にとっても大切な時間の過ごし方のひとつ。 それと同様に大切にしたいのが自分の行動や知識・経験の範囲を少し広げてみること。 通訳の道に踏み出すとき、時間的…

2017-07-25 英語(外国語)の運用能力

通訳学校に通っていたとき、講師の訳をノートしたことは3年間で1回だったと記憶しています。「ああ、その手がありましたか」と思ったとき。 通訳訓練課程で講師の訳例を聞いてせっせとノートしているようでは危ういと思うんですね。とっさに出てこなくても…

2017-07-13 少しずつ

最近異なった場面で複数の方から「声がいいですね」と言っていただきました。 日本語で話していたときのことです。 そういえば最近やや広い会議室でマイクロフォンなしの逐次訳でも楽に声が出ていた気がします。 緊張するとのどが詰まる感触があり、声の響き…

2017-06-20 通訳のノート(メモ)

通訳の学習を始めたときには、あまりノートのことを考えないでいいと思うんですね。 通訳は書き取りの試験ではありません。 ノートを取るのなら、「今書き留めたことは実際の訳出にどう役立ったのか」ということを考えることも必要ではないでしょうか。 つま…

2017-06-05 たまねぎ

「そうか、こういうことなのか」と仕事や練習の手がかりをつかんだ気になるときがあります。 私の例だと、通訳学校の修了試験。(2015-12-28 準備はできている) 心の中の「矢印」が・内側(問題にしっかり答えなければ)から・外側(通訳が必要な人に伝えて…

2017-06-04 少しは進歩するものだ

通訳の練習をしたり現場に出るときに強迫観念のようなものを感じてきました。「通訳技能は練習や実践では伸びないのではないか」 その理由は周囲にいる「鮮やかな訳を出す通訳者たち」の存在です。民間の通訳養成機関インタースクール東京校のプロ速成科(20…

2017-05-18 心にノートを

以前に逐次通訳を2名体制で担当したことがありました(終日の長時間だったので)。そのときの同席通訳者さん、ノートをほとんど取らない。じっと聞いて、実に正確に訳出していきます。ノートの量は5時間でA4の大きさ2面くらいでしょうか。 寳閣綾子さん…

2017-05-16 足りないところを補う

通訳の業務をしていくと、仕事自体が訓練になるのも真実です。しかし、「試合」だけでは強化しづらい機能もあるはず。 通訳業務提供という「販売」に対応する「仕入れ」として考えられるのがしっかりとした日本語と英語とではないかと思います。通訳技能は仕…

2017-05-14 ビリヤニの作り方・学習の基本

通訳には様々な要素がかかわります。基礎学習から業務中に下す瞬時の判断まで、また、業務受託者としてのふるまいなど。 大澤孝将さんが南アジアの名物米料理「ビリヤニ」の作り方を公開していらっしゃいますが、記述の最後の部分に胸を突かれました。 すぐ…

2017-05-01 高地トレーニングあるいは鉄げた

内容の把握が難しい逐次を経験したことがあります。一区切りが長いこともあってなかなか苦しかった記憶が…。 興味深いことにその翌日に The Economist を目で追って再現する「読みリプロダクション」をしたところ、記憶できる分量が確実に増えています。 高…

2017-04-30 一点突破

通訳や通訳学習の経験が皆無の状態から5年で通訳学校の通訳養成課程で講師をするようになりました。もっと短い時間だった方もいるでしょうし、もっと時間がかかった方もいるでしょう。 学習を始めたときに50歳10か月だった年齢を考えると比較的短い時間…

2017-04-15 通訳学習で効果が上がる人

通訳の学習をしていて「じゃあどうすればいいんですか」という問いを多く発しているとしたら要注意かもしれません。この言葉の向こうに「要求すれば(私にとっての)最適解が与えられるはず」という姿勢が見え隠れします。 あるいは最適な努力をすれば最短時…

2017-04-12 手放さないとつかめない

モコちゃんパパさんのブログ「定年からの通訳デビュー」に 何かを削いでいかないと新しいことはできない という記事があります。 そうだよねぇ、と深く同意しました。私も勤続28年の会社員生活と管理職の年収を放り出しましたからね…。 2007年から久しぶり…

2017-03-31 課題を設定して仕事に臨む--ただし1つ

最近うれしいことがひとつありました。 前回いくつか反省点のあった仕事を再度担当したときのことです。 「次回はこうしてみよう」という思いがいろいろとあったのですが、まず1つに絞って改善を試みました。日本語を英語に訳すときに、通訳者の自分勝手と…

2017-03-28 記事紹介--学習方法(2)

昨日紹介した記事には英語(通訳のB言語、すなわち通訳者の母語ではない言語)についての記述がありませんでした。 アルク社のサイト「翻訳通訳のトビラ」にインタースクールの平井聖一さんが書いた記事が参考になると思います(平井節が炸裂しています…)…

2017-03-27 記事紹介--学習方法

通訳学校での学習についての記事がありましたので紹介します。 ISSインスティテュートの ISSスクールブログ に柴原早苗さんが書いたものです。 「学びは工夫と謙虚さで」 柴原さんはこの記事で日本語・英語の訓練について強調していませんが、・小学校…

2017-03-26 コツン、と頭をぶつける

最近2か月くらいの仕事をする中で、・自分が追い求める「イケてる訳」(の影) と・自分が実際に出す訳との落差を意識していました。 自分の技能の伸びがガラスの天井に軽くぶつかったような気がしていました。 ▼そんなときに通訳の神様は良い機会をくれま…

2017-03-21 英語の学習で試験を利用する

英語の学習で、何か試験があったほうが目安があって取り組みやすいという方がいらしたら以下をおすすめしたいと思います。 IELTS TOEFL Cambridge ESOL Examinations ▼それぞれの試験の比較について TOEIC980点の大学生のブログ に良い記事があります(各種…

2017-03-15 学習時間の捻出

出張を伴う夜間業務をして、休みを1日はさんで企業の幹部会の同時通訳。その翌日にお世話になった通訳学校の受講生募集セミナーで講師をしました。 ようやく緊張が解けようかという週末。 こんなときこそ気分を切り替えて基礎練習の機会なのでしょうね。言…

2017-03-13 わかってるブログ

読むたびに「この人、わかってるな」と感じるブログがあります。 通訳者・通訳学習者のブログとして今おそらく最も旬なのは:通訳者Mのブログ ▼先日著者のMさんに再度会うことができました。前回はMさんからの呼び出しで「通訳の学習で聞きたいことがある。…

2017-03-07 何かが違う

訳を出した直後に心のどこかで小さな声が聞こえる気がします。 「そうじゃないだろう。もっとぴしっと決まる訳があるはずだ」「もっと簡潔にできるはずだ」「それで本当に話者の意図がしっかり伝わるのか」「自分勝手な表現になっていないか」 この違和感を…

2017-03-05 試す

いろいろと試すのが好きです。 最も大きいほうでは、会社勤務から通訳者、それもいきなりフリーランスになるのを試したことでしょうか。 通訳学校の教室でもいろいろ試していました。外から見ると鈍いように見えたはずですが、自分なりの学習テーマに従って…

2017-02-19 意味を訳せば

原発言の単語や構造をしっかりつかまないと文の意味が正確にはとらえられない。よーく清浄して曇りのないレンズを使い、しっかり焦点を合わせて写真を撮るような感じでしょうか。 そうすれば話者の言いたいことを理解する確率が高まるはず。「メッセージを訳…

2017-02-13 第3回 JACI サロン--通訳のチームワークについて語ろう!

日本会議通訳者協会(JACI)主催の通訳者の集まりが告知されていました。 2017-02-25(土)17:00~20:00 第3回 JACI サロン 通訳のチームワークについて語ろう!(パナガイド同通演習付き) 講習会とも少し違う「サロン」です。第1回が大変好評で第2回を…

2017-02-06 通訳に対しての考え方いろいろ

通訳者がいなければ言葉が通じずに意思疎通ができないのですから、通訳の品質に多少難があっても「ないより(はるかに)ましじゃないか」という考えも十分に可能だと思います。 一方、話者本人に成り代わって話すのだから、「話者がもしこの言語を話したら、…

2017-01-30 皆努力をして進んでいます

インタースクールでお世話になった講師と話をする機会がありました。 いつもと同じ自説を聞いたのですが、深みが少し加わっているのを感じます。前回に聞いたときと違う。発展があります。 日本会議通訳者協会の打ち合わせで会員と話をしたときも常に学習を…

2017-01-22 Manageable chunk

通訳の学習を続けている人はまじめに努力している場合がほとんど。さらに、言語を扱う能力を十分に持ち合わせていることも多いと思います。 しかし、ここに落とし穴もあります。 「知」「理」の実力があるために、自分が出す訳文を少し難しいものにしてしま…

2017-01-21 損切り--雑誌の処分

The Economist を定期購読しています。目をいたわりたいので紙の印刷版です。 週刊なので昨年の中頃までなんとか読めていたのですが、出張や遠距離通勤の業務が続いて10週間分ほど読めずに積みあがってしまいました。 少しずつ追いついてきたと思ったら、…

2017-01-19 ブレイクスルー、ではないけれど

しばらく前に逐次通訳ばかり数日間担当しました。専門的な内容でやりとりの数も多く、かなりの試練でした。 発言を丸ごとさっととらえることができれば最小限のノートで間髪を入れずに落ち着いて自然な訳出ができます。うまくいかないときはすべてが逆となり…

2017-01-18 日本通訳フォーラム2017

日本会議通訳者協会主催の日本通訳フォーラム2017が 2017年8月26日(土)に開催されます。 今回の基調講演は(あの)鳥飼玖美子立教大学名誉教授です。 今回で3回目となりますが、第1回・第2回とチケットが完売となりました。 参加を希望される方は早めの…

2017-01-04 英語の効果的な学習法

インターネットの利点は「探し物」と「出会い」でしょうか。 英語の学習についての良質な記事を見つけました。 通訳学校や翻訳学校に入ったにもかかわらず初級に留まって進級できない場合にはA言語(日本語)かB言語(英語等)またはその両方の運用能力が…

2017-01-03 メッセージを訳すということ

一言一句を細かく追おうとすると大きな流れを見失うことがあるという警句をよく見かけます。通訳では言葉だけではなく「言いたいこと」を伝えることが重要だといいます。 ここで注意したいのは言葉を捕まえることの重要さを忘れてはいけないということ。 細…

2016-12-31 通訳関連の図書--鳥飼玖美子

鳥飼玖美子著「通訳者と戦後日米外交」を読んでいます。 博士論文として英語で書かれたものの邦訳というか、著者本人による日本語書き下ろしですね。 学術論文としての取りつきづらさは冒頭わずかに感じるのですが、論文の中核をなす日本人通訳者からの聞き…

2016-12-28 練習は正直

講演を材料に日本語→英語の通訳の練習をしたら、思っていたほどできません。 ちょっと衝撃を受け、いろいろと思い出してみました。 The Economist を素材にして声を出さない文章再現(reproduction)を4年ほど続けている。目で文章を追い、視線を外して唇を…

2016-12-26 札幌で日英・英日通訳ワークショップ

日本会議通訳者協会が 2017年02月05日 に札幌で通訳ワークショップを開きます。 日英・英日通訳ワークショップ in 札幌 同様のワークショップを過去2回東京で実施していますが、たいへん好評でした。 通訳者のための団体が主催するのでいろいろと「こちら側…

2016-12-20 外務公務員が通訳するとき

外務省職員が通訳をする際のようすがよくわかる記事がありました。通訳全般についても示唆するところがとても多いと思います。すばらしい投稿だと思いました。 ローコンテクスト社会で<通訳する>ということ――新潟県立大学「政治学入門」授業公開 田村優輝×…

2016-12-16 南アジア料理部 部活動

四国旅行中は南アジア料理を食べませんでした。 すこし久しぶりにスパイスの入ったものを食べようと、まず座間市の「ビリヤニハウス」に自動車で向かいます。右折して駐車場に入ろうとしたら対向車が左折で同じ場所に入り、2台分の駐車場がふさがりました。…

2016-12-05 スポーツからの学び

通訳は演劇や音楽演奏、武術といった時間の流れと共に生まれて消えていく芸に近いと思っています。 これに運動も加えるべきですね。 最近ではリオデジャネイロオリンピックでのバドミントン女子ダブルス。日本の髙橋・松友組の最終セットは鬼気迫るものがあ…

2016-11-25 たった一言で「元がとれる」ことがある

日本会議通訳者協会の会員になる大きな利点の一つが過去の通訳フォーラムでの講演動画を見ることができることですね。これが理由で日本の首都圏外や外国からの入会がかなりあります。 今年は通訳フォーラムで録画を担当していて、他の部屋の講演を聞くことが…

2016-11-24 質を高めないと…

通訳者がいなければ相互理解が成り立ちません。 ですから、通訳者は常に「いないより、いたほうがよい」ということになります。 私はこの事実に甘えてはいないだろうか。 本人が外国語を話したとしたら、という正確で自然な訳を追求しないといけないのではな…

2016-11-08 コインの両側

どんどんと頼もしい記事が増えている「英語家Mitsukiの通訳ブログ」。 「同時通訳、備忘録」という記事を興味深く読みました。 元の日本語にピタっとくっつきすぎると出来ないんだよなあ。 日本語は英語と大きく違いますから、日本語の単語の意味そのものや…

2016-10-21 断らない

何かをしてみると新しいことが見えてきます。 丘の上まで登ると今まで見えなかった光景が広がるのに似て。 あきらかに脇道だとわかったり、自分に不利になりそうだったり他人に迷惑をかけそうでない限り、通訳関係での私の返事はいつも「はい」です。 企業勤…

2016-10-12 ノート取りの練習をしていない

日本語の議事進行を英語で「実況中継」するような仕事がたまたま重なり、肩慣らしとして同時通訳の練習に偏っていました。 そういえばノートを使った逐次通訳の練習をしばらくしていません。 仕事で逐次通訳をすることもありましたが、さほど問題は感じませ…

2016-09-28 通訳ワークショップ--逐次通訳の表現力強化

日本会議通訳者協会(JACI)のイベントがありますのでお知らせします。以前に参加したことがありますが、入門以前の学習者からある程度経験を積んだ人まで、誰でも得るところのある、気楽でありながらためになる集まりでした。 【10/15】JACIワークショップ …

2016-09-27 練習についての考え方

外国のオーケストラで演奏活動を行っている Mamiko さんのブログ記事には外国語の学習を考える際にも参考になることが多いと思っています(以前にも紹介しました:2014-09-18 通訳している自分を制御する)。 通訳は芸術とは違うのでしょうけど、技能という…

2016-09-20 環境依存型

川べりの散歩道を歩くときに同時通訳の練習をすることがあります。 天候の都合で室内で同じ素材を使って練習する機会がありました。 あれ。 なんだか調子がよくありません。自然な表現が何かにひっかかって出てこないような感じです。おそらく環境が変わった…

2016-09-19 定期点検

インタースクールの先輩でときどき仕事でご一緒する方から最新技術のプレゼンテーション素材を紹介してもらいました。人工知能やロボット工学についての一般聴衆向けの発表です。内容・発表・録音すべてが優れています。 原音声と同時通訳とで別動画になって…

2016-09-16 同時通訳・通訳学校

以前に目にしてまた読みたいと思っていた記事をようやく見つけました。 「同時通訳についてちょっと語ってみる ~マイク兄さん編」 2010年の書き込みですから、現在では著者の考えにも変化があるかもしれません。それでも非常に示唆に富んだ内容だと思います…

2016-08-31 バイアス・内化

人間の一般的な性向として、知らないもの・必要でないものは一般的な重要度も低いととらえてしまうようです。 言語で例をあげると、母語に存在しない外国語の概念は重要であっても「追加」「おまけ」として扱ってしまう。 ▼日本人は a/the を「冠詞」、文字…