50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2017-07-29 誠実に・バー上げ

どれだけ誠実に訳せるか。毎回の通訳が試験というか、試練だと感じています。表面の言葉の流れが良くて心地よく聞こえる訳でも、原文から微妙にずれていては価値がありません。かといって聞いたときにゴツゴツしていたり早口に過ぎたりするのでは伝わりません。書き取ってみれば原文相当なのがわかったとしてもです。


通訳業では同じ顧客に定期的に出向くこともよくあります。通訳者が話者の発想や事情を理解していくにつれて訳の精度も表現も向上します。ただし、顧客も通訳者の訳に慣れてきます。

慣れると何が起きるか。

いままでの訳よりも「もう少し上」を(意識せずに)求めるようになります。通訳者は自らバーを上げてしまうのですね。しっかりと仕事をすれば提供するサービスの質も良くなりますが、同時に顧客の耳も肥えてくる。これは宿命で避けようがありません。


ラーメン店主のこんな話を読んだ記憶があります。
「お客様は『昔と変わらずうまい』とおっしゃってくださいますが、実はこの店のラーメンを常に改良しています。お客様の舌が肥えるのに遅れないようにしているのです。何もしなかったらとっくに市場から消えています」


日本では
「ハードルを上げる」
という表現も多く目にしますが、ハードルの高さは一定です。女子 100m で840mm、男子 110m で 1,067mm。上げるのは高跳びの「バー」でなければならない。米国人はこう言っています。
「バーは上がるもの」
「ハードルは迫るもの」

 


神奈川県座間市パキスタン料理店「ビリヤニハウス」。メニューには記載がありませんが、ナンの代わりにロティにしてもらえます。この日は野菜カレーがことのほかおいしかった。トマトの酸味が効いた味に記憶がありましたが、新宿区曙橋の「シディーク曙橋店」の野菜カレーに似ているのに気づきました。ラッシーもチャイも実においしい。

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2017-07-27 ブルガリア料理

東京駅八重洲口近くには南インド料理店が3軒。ダバ・インディアダクシンエリックサウスです。

この周辺で昼食にすると上記3店が候補になるのですが、先日はブルガリア料理の「ソフィア」に初めて行ってみました。ダクシンと同じビルなので南インド料理の引力を振り切るのがなかなかできずに数年が経ってしまいました…。

昼は4種類の料理(キュフテ・ムサカ・カヴァルマ・日替わり)から1つ選びます。その他にビュッフェ形式で以下を好みで。
・水切りヨーグルト
・葉物サラダ
ブルガリア風サラダ
・パン
・タラトール(冷製スープサラダ)
・その他料理(この日はスパゲティミートボール)

なかなかおいしいのでまた行ってみようと思います。

 

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2017-07-27 表面上順調なときには

ものごとが順調に運んでいるときにはもちろん喜ぶべきですし感謝するときでもあります。

しかし、

好事魔多し

というのもかなり真実かと思います。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
平家物語

時間はどんどんと過ぎていきます。通訳市場にも新しい参入があり、退場もあります。通訳仲介業(エージェント)も顧客も留まっているように見えて少しずつ変わっていきます。

2017-07-26 疲れをためないように

二週間で3回新幹線で往復しました。荷物を持っての移動で少しずつ疲れますね。おまけに暑い…。

意識して休むようにして、いつもの川辺の散歩も早朝だけにしました。そもそも川の水が干上がっています…。

疲れる前に休むのが必要な歳になってきたことを忘れないようにしようと思います。


いろいろと気がかりなことがあったのですが、その後に良いことが続きました(私が解決したのではなく、周囲の方から思いがけないお誘いをいただいたり心のこもった連絡をいただいたり)。通訳の仕事では最も難しいと思っていた箇所をなんとか切り抜けました。やはり準備は裏切らないですね。準備したからといってうまくいくとは限りませんが、準備をしないとまずうまくいきません。通訳者は話者と聴衆とに責任があるのですよね…。


蚊は写真に写りませんね。

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完全に干上がりました。カモは下流に行ったのでしょうか。

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2017-07-25 英語(外国語)の運用能力

通訳学校に通っていたとき、講師の訳をノートしたことは3年間で1回だったと記憶しています。
「ああ、その手がありましたか」
と思ったとき。

通訳訓練課程で講師の訳例を聞いてせっせとノートしているようでは危ういと思うんですね。とっさに出てこなくても知っていなくてはならない。講師から習うのは通訳技能や心構えであって、英語の表現や語法・文法ではないのだろうと思います。

むしろ受講者が講師を感心させることも起こってしかるべきではないでしょうか。

 


英語学習会を開始してしばらくになります。参加者全員が対等で講師であり学習者。オタクのオタクによるオタクのための学習会。会場の近くがスリランカ料理店で幸運です。この日はイナダのカレー。大きなイナダの切り身がごろりと入っています。味が入っていてみごとな出来。

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2017-07-22 出張

当日移動だと少し無理がある場所に2週間で3往復しました。交通費と宿泊費とでかなりの額になりましたが、それでも発注していただいたのをありがたく思います。

うれしいことに友人の居住地でしたので、納涼タイ料理の会にしました。通訳仲間も1人引っ張っていって楽しく過ごしました。

別の日には仲間と大規模浴場に出かけ、手足を伸ばしてヒノキの風呂に入ってごきげんです。おいしいイタリア料理の居酒屋にも行けました(私はアルコールを飲まないので San Pellegrino でしたけど)。


以前は
「狭いなあ…」
と感じたビジネスホテルの通常の部屋ですが、こうしたことにも慣れていくものですね。

 


神奈川県大和市スリランカ料理店「シナモンガーデン」が3周年を迎えたそうです。記念の特別料理を出したところ50食完売とのこと。あの場所では快挙です。

写真は通常のスリランカプレート 1,100円。この日の料理はすべてがおいしく、一種の完成形といえそうです。すばらしかった。

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2017-07-18 接客業としての通訳

どのような仕事にも顧客がいます。製造ライン勤務なら最終顧客までの距離は遠いかもしれませんが、次工程や品質管理部門、あるいは上司が自分にとっての「客」ともいえますね。通訳者だと顧客との距離はずっと近くなります。隣やテーブルの向こうにいることも多いですし。

ですから私は通訳業はサービス業であり接客業の一形態だと思っています。通訳学校に通い始めた時分からこの考えは変わっていません。サービス業・接客業の大きな特徴は相手となる顧客が千差万別で、それによって仕事の環境や要求度も大きく変わることだと思います。同じ客先の同じような会議でもいざ通訳してみると前回と同じということはめったにありません。場所や内容が常に変化し、顧客とのかかわりも都度違います。


相手の要求や感じ方、大きく言ってしまうと価値体系が様々なので、通訳者には顧客サービスのコールセンターや自動車・保険のセールス担当者に求められるような柔軟さ・打たれ強さ・相手を読む力が必要だと思っています。これは同時通訳ブースに入って音声を出すだけのように見える業務でも実はあまり変わらないように思います。他の通訳者と組みますし、発表者や会議参加者との事前交渉・打ち合わせも大切です。うまくいかないときの危機管理・事後処理・挽回策も必要です。


通訳者として世に出るまでは狭義の通訳技能だけに関心を向けがちですが、職業としての通訳をどう考えるかも大切なことだろうと思います。


豊島区南大塚の「やっぱりインディア」は開店直後から人気店となりました。インド料理に詳しくない客でも、あちこちにある「本場のインドカレー」(大きなナンとカレー)を出す大多数の店とは違う料理が出てくるのがわかるのでしょうね。調理師はインド各地の料理を作れるようで、最近南インドの定食(ミールス)も始めました。

写真上方のパパド(豆粉のせんべい)の後ろにラッサム(スープカレー)が隠れてしまいました。

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