50歳で始めた通訳訓練

通訳者のブログ。会社員からフリーランス通訳者に転身。以下のユーザー名をクリックするとプロフィール表示に進みます。

2014-02-21 イヤフォン

同時通訳の練習をするときに使うイヤフォンを購入しました。

しばらくソニーウォークマンに附属していたイヤプラグ(耳栓)型を使っていました。音質は良いのですが、
・ノイズキャンセラー用のマイクが入っていて大きい
・プラグがノイズキャンセラー用の4極なので、どこでも使えるかやや不安
・耳栓型は密閉度が高く、自分の声を聞けない
・ケーブルがやや短い
という点で通訳練習用にはいまひとつでした。

オープンエア型の安いものを探し、店頭でパイオニアのSE-CE521-Kを試着のうえ購入しました。
・軽い
・ケーブルが柔らかく、ケーブルからの雑音(聴診器効果)が少ない
・オープンエアなので同時通訳中の自分の声がほどよく聞こえる
のでとても良い買い物になりました。音質も(価格を考えると)非常に良いといえます。価格が10倍のイヤフォンに比べてもさして劣るようには感じません。

ただし、
・耳に入れる部分の直径が大きい
ので、特に女性は試してみる必要があると思います。


同時通訳の練習にしばらく使ってみました。とても快適です。耳栓型だと自分の声の響きが不自然ですが、オープンエアだとこんなに楽なのですね。

2014-02-20 中国語発音速成(2)

※ この記述は英語のニュース等で中国の地名・人名等がどう読まれているかを知るための資料です。中国語学習を目的とはしていません(カナ読みしても中国人には通じません)。

【サバイバル3】

時事頻出語
Mao Ze Dong マオゼドん 毛沢東
Zhou En Lai ゾウエンライ 周恩来
Hua Guo Feng ファグゥオファん 華国峰
Zaho Zi Yang ザオジィヤん 趙紫陽
Zhu Rong Zhi ズーロんジィ 朱鎔基
Deng Xiao Ping デんシャオピん 鄧小平
Jiang Ze Min ジャんゼミン 江沢民
Wen Jia Bao ウェンジアバオ 温家宝
Li Ke Qiang リィカァチァん 李克強
Jiang Qing ジァんチィん 江青
Bo Xi Lai ボォシィライ 薄熙来
Gu Kai Lai グゥカイライ 谷開来
Renminbi レンミンビィ 人民幣(=人民元
Xinhua シンファ 新華(新華社
Diaoyu ディヤォユゥ 釣魚
Qing チん 清
Ming ミん 明
Yuan ユァン 元
Tang タん 唐
Sui スゥイ 随
Qin チン 秦
Libai リィバイ 李白
Dufu ドゥフゥ 杜甫
Wang Xi Zhi ワんシィジィ 王義之


中国23省・省都
Anhui アンフイ 安徽省 合肥市(Hefei, ハァフェイ)
Fujian フゥジァン 福建省    福州市(Fuzhou, フゥゾウ)
Gansu ガンスー 甘粛省 蘭州市(Lanzhou, ランゾウ)
Guangdong グァンドん 広東省 広州市(Guangzhou, グァんゾウ)
Guizhou グィゾウ 貴州省 貴陽市(Guiyang, グイヤん)
Hainan ハイナン 海南省 海口市(Haikou, ハイコウ)
Hebei ハァベイ 河北省 石家荘市(Shijiazhuang, シージァージャん)
Heilongjiang ヘイロんジァん 黒竜江省 哈爾濱市(Ha'erbin, ハルビン
Henan ハァナン 河南省 鄭州市(Zhengzhou, ジァんゾウ)
Hubei フゥベイ 湖北省 武漢市(Wuhan, ウゥハン)
Hunan フゥナン 湖南省 長沙市(Changsha, チャんシャァ)
Jiangsu ジァンスゥ 江蘇省 南京市(Nanjing, ナンジん)
Jiangxi ジァンシィ 江西省 南昌市(Nanchang, ナンチャん)
Jilin ジィリン 吉林省 長春市(Changchun, チャんチュン)
Liaoning リァオニん 遼寧省 瀋陽市(Shengyang, シェんヤん)
Qinghai チんハイ 青海省 西寧市(Xining, シィニん)
Shanxi シャンシィ 陝西省 西安市(Xi'an, シィアン)
Shangdong シァんドん 山東省 済南市(Jinan, ジーナン)
Shanxi シャンシィ 山西省 太原市(Taiyuan, タイユァン)
Sichuan シィチュァン 四川省 成都市(Chengdu, チャんンドゥ)
Yunnan ユンナン 雲南省 昆明市(Kunming, クンミん)
Zhejiang ジァアジァん 浙江省 杭州市(Hanzhou, ハンゾウ

直轄市
Beijing ベイジん 北京市
Chongqing チョんチん 重慶
Shanghai シャんハイ 上海市
Tianjin ティァンジン 天津市

2014-02-19 中国語発音速成(1)

英文新聞記事に出てくる中国の地名・人名は中国の表音システムそのままなので読み方になじみがないと苦労するかもしれません。

中華人民共和国(中国)の官製表記方法は拼音(pinyin、ピンイン)というシステムです。ラテン文字 26 のうち 25 を(25も!)使って普通話の音を表記します(厳密には普通話専用ではないのかもしれませんが)。

英語通訳者のサバイバル発音術を書いておこうと思います。
※ 中国人にこの発音を試してもまず通じないはず。

【サバイバル1】
英文に出てくるときにはローマ字あるいは英単語っぽく読んでしまえばOKです。n と ng とは英語同様区別があります。

Beijing 北京 ベイジん
Hu Jin Tao 胡錦濤 フゥジンタオ

【サバイバル2】
読みようがない X, Q, Zh について。

Xi は日本語の「シ」で代用。野良猫を追い払う「シッ」の音です。

Xi Jin Ping 習近平 シィジンピん
Xiamen 厦門 シアメン
Xinhua 新華 シンフア

ただし Xu の母音はドイツ語の ü のような「ュ」になります。

Daxue 大学 ダァシュエ

Qi は日本語の「チ」で代用。英語の ch でOK。

Liu Shao Qi リウシャオチー 劉少奇
Qinghai 青海 チんハイ

ただし Qu は Xu と同様「チュ」で代用します。

Qu チュー 区

Zh は英語の z の音で代用します。

Zhongguo ゾんグォ 中国
Zhuhai ズゥハイ 珠海

続く。

訂正:zh を当初「英語 j の音で代用」と記していましたが、「z の音」に訂正いたします。

2014-02-18 情報求む(Android 用音楽プレーヤ)

こんにちは。

Android OS で動作する音声プレーヤアプリケーション(music player app)を探しています。何か良いものがあればぜひ教えていただきたくお願いする次第です。

自分で探せ! とおしかりを頂戴するのはもっともですが、外国語学習に具合の良いものがまだ見つからず…。

Windwos で使っている「おこしやす2」がとても優れているので、どうしてもこれに類するものを求めてしまうんですよね…。

「おこしやす」がすばらしいのは
1 停止して再生を開始するとき、任意の秒数だけ遡って開始する。
2 操作にショートカットキー割当(任意)が可能で、マウス不要。
3 周波数帯域別イコライザがあり、ヒスノイズをかなり減らせる。

特に1が実に便利ですね。逐次通訳の練習で音声を一時停止して、
「さて、続きを聞こう」
と再生キーを押すと、2秒(例)遡って開始します。のりしろ(overlap)を作ってくれるんです。この機能がないと次の文の開始部分が十分に再生されなかったりしますので。

ショートカットキーで巻き戻しや早送りに5秒を設定していますので(任意の秒数が可能)、前後に移動したいときもマウスでうにゅにゅ~と操作する必要がなく、キーをカツンカツンと叩けば5秒ずつ進んだり戻ったりできます。

2014-02-17 通訳学習会 第3回

2014年01月19日に引き続き、学習会の3回目を実施しました。

今回の会場は東京タワーのすぐ近くで、青空にオレンジの鉄塔がとても映えていました。教材や会場の手配を他の方にしていただいたので、私はランチ探検隊長の重責を果たすべく候補を3つほど用意しました(ビジネス街では日曜の昼営業が少ないんです)。

良い仲間と出会えたと思います。仲は良いが単に群れるのとは違う。練習中は緊張感があります。通訳者・小規模の通訳学校に行っている人・大手通訳学校に通学している人と、さまざまな立場から知恵が出てくるのがいいですね。大きな利点は一人では気づかない自分の訳出の多義性(意図と異なるように受け取られてしまう可能性)に気づくことです。私の場合、
「ああ、言われてみればそうとも受け取られるな」
ということがときどきあります。

そして、練習会の利点とはちょっと違うのですが、参加者の得意な点・弱点がそれぞれ違うのが興味深いですね。
「え? こんなにはっきり言ってるのが聞こえないの?」
ということもあれば、
「うわ。どうしてこれが聞き取れるの?」
ということもあります。不思議なほどです。

今回は英語→日本語の練習をしましたが、私の場合、英語を瞬時に読み解く力・適切な(普通はこう言うという)日本語を瞬時に編集して繰り出していく力が足りないなあ、と感じました(これができていれば一流通訳者になってますね…)。

2014-02-16 まとめて訳出する

2014年2月15日(土)のインタースクール授業は休みとなりました。丁寧に電話およびメールで連絡をいただきました。昨日の記事で同校はサイトを活用していないと指摘しましたが、連絡の基本が pull 型(情報を取りたい側が情報元にアクセスする)ではなく、push 型(情報元が情報を受け取るべき人に届ける)ということなのでしょうか。

pull 型 と push 型 との長所・短所は裏返しの関係で、どちらが一方的に良いとはいえませんね…。


引き続き逐次通訳を録音して聞いています。

瞬時に訳文を決めていないことが伝わってきます。部品と部品とをつなぎ合わせて訳文を「作っている」ことが聞いていてわかってしまいます。別の表現をすると「謎解きをしている」ことがバレてしまうのです。

原文が短いときにはほとんど目立ちません。原文が長くなり、内容に出てくる概念・名称が多くなると加速度的に苦しそうになったり正確さが失われてきたりします。ノートを見て文を組み立てるのなら良いのですが、ノートを「追おう」としているのは問題ですね。
メモは読まないこと。なるべく「俯瞰的に」「眺める」ようにしてください © 丸尾一平さん
元発言者が言いたいことを通訳者が自分のことばで(こなれた表現・自然な流れで)伝えるにはどうしたら良いか。通訳の練習には理屈では解決できない要素が多いので、考え込まない程度に意識して、とにかく練習ですね。ただし結果を点検するという PDCA 的な考えはしっかり持っていたいと思います。

2014-02-15 降雪対応--通訳学校大手の場合

大雪についての大手通訳学校3社の対応に興味を持ちました。

自社サイトを使った広報のすばやさ、わかりやすさという点でいうと

1位 サイマルアカデミー
2位 該当なし
3位 アイ・エス・エス・インスティテュート
4位 該当なし
5位 インタースクール

という感じです(本ブログ記事は 2014年2月15日 09:20 JST に上記のサイトを見て書きました)。

サイマルアカデミーは情報更新の間隔が短く、移動中に受講生がモバイルアクセスすることも考えているようです。

ISSは早々と対応を出しているのは良いのですが、実際の天候の変化に追いつく点では改善の余地がありそうです。

インタースクールはのんきなもので、自社サイトをリアルタイムの情報源にするという考えはないようですね。


「インターネット接続で情報を取得するのは一部の人だ」(故にオンライン環境に過度に依存しない)という考え方がかつてありました。しかし、今では小中学生がスマートフォンを使います。通訳者・翻訳者がネットワーク接続なしで学習や仕事をしているとも思えません。サイマルアカデミーはそのことが良くわかっているな、と感じます。